こんにちは。
七理悠介です。
前回、日本が誇る山形のニットファクトリーブランドである奥山メリヤスのBATONER(バトナー)をご紹介しました。
記事でも触れた通り、バトナーのニットは奥山メリヤスらしい上質さが感じられるものなので、ニットに詳しい方にもファンが多い逸品です。
ですが、そんな奥山メリヤスの品質を楽しめる方法は、他にも意外な所にあります。
目次
奥山メリヤスとユナイテッドアローズの関係
奥山メリヤスのニットをバトナー以外でも手軽に手に入れ楽しむことができるのは、セレクトショップのユナイテッドアローズです。
アローズが販売するオリジナル商品の一部ニットは、奥山メリヤスで生産されていることは一般的にあまり知られておらず、そのクオリティは非常に高いです。
奥山メリヤスは、そのクオリティの高さゆえ様々なブランドが生産を頼むのですが、なかなか引き受けてくれない背景があります。
ですが、バトナーを初めて全国に発信したのがアローズだった経緯もあり、アローズには毎年上質なニットを提供しており関係性は深いです。
バトナーとはまた少し違った表現がされたニットで、まるで兄弟ブランドのような完成度となっています。
アローズで奥山メリヤス製のセレオリ品ニットを探すには?
アローズのオリジナルニットを奥山メリヤスが手がけていることは分かりましたが、果たしてどれが該当アイテムなのか探すのが大変だと思いませんか?
実は、アローズオリジナルの奥山メリヤスのものは品名を見たら判別できます。(商品名ではなく正式な品名のことなので注意)
奥山メリヤス製のニットには「YMGT」の記載があるものです。
「どういう意味の文字なの?」と思われるかもしれませんが、「YMGT」は「YAMAGATA」の略です。これは奥山メリヤス社がある山形のことを表しています。
・・・誰がこんなの解読できるのか?と疑問に感じ、これでは全く伝わらないよと言いたくなるところですが、実際伝える気が全然ないのではないでしょうか?
それは悪い意味ではなくて、むしろこのことはアローズの自負と覚悟の表れなのだと読み取れます。
自分たちがバトナーを広めたという自負と、他のショップのように奥山メリヤスと昨日今日付き合いが始まったわけではない、わざわざそれをアピールしなくても当たり前のことだから普通に販売してみせるという覚悟があるように私には思えてなりません。
事実、他のショップが奥山メリヤスに製造してもらったニットを販売する時には、そのことをかなり強調して販売していますしね。
アローズは上場企業であるにも関わらず、こういった謎の尖った行動を取ることがあるのが、見ていて飽きなくて面白いと感じるのは私だけでしょうか?売っているアイテムは間違いのない鉄板のものを揃えてくることが多いラインナップなくせに、取り組み姿勢はまだ独創性があるのがギャップとして映ります。
余談ですが、アローズって他のセレクトショップと比較して(良い意味で)変わったところも多いです。誰よりも先に始めたかと思いきや、誰よりも先に止めていくのがアローズです。また、果たして採算が取れているのか不安になるようなことを、何故かずっとこだわって続けているのもアローズです。
大手セレクトショップでは珍しく上場している企業なのですが、よくそんなことが可能だなと思うようなことも少なくないです。
上場企業である以上、株主に対して利益を最優先に考えるのが当たり前の世の中で、セレクトショップの良さとは何か?を考えさせられ、そして楽しませてくれる存在のような気がします。
とは言え、実際の株主からは「誰にでも理解されるわけではないこだわりを入れるな」と批判ももしかしたらあるのかもしれませんね。
かく言う私自身アローズの株主の1人ですが、個人的にはアローズに対して「いいぞ!もっとやれ!」と面白がっている立場です。だってセレクトショップらしさってそういうものだと思っていますから。
みんながみんな同じことをやっているのであれば、ショップなんてたくさん要らないですよね?私はそう信じています。
話を本題に戻します。アローズオリジナルの奥山メリヤスのものは品名がYMGT記載、まず間違いなく知っている人はいないはずですので、覚えておくとニット選びが楽しくなって上手になりますよ。
アローズと奥山メリヤスの長年積み重ねてきた絆を感じるニット
実際にアローズがこれまでにオリジナルで販売した奥山メリヤス製のニットを見てみてください。
2着とも私が所有しているものになります。どちらも今季のモデルではないのですが、今季のものと作りは同じです。
まずはミドルゲージクルーネックニットです。

私はネイビーを購入しました。今季のラインナップにはない色です。
サイズ感は、若者向きのブランドとは違う細身すぎないものですし、おじさん臭い太すぎるものでもない絶妙なゆとりを持ったバランスですので、これはかなり使えるニットですね。
ちなみに、クルーネックニットについては、前回のバトナーの記事の中で特におすすめしていた畦編みニットのタイプのものも以前アローズのセレオリで作られていました。
奥山メリヤスの自社ブランドであるバトナーの畦編みニットとは何が違うのかと言うと、強いて言えばラグランの角度が少しだけ異なっていたくらいで正直ほとんど変わらなかったですね。
それがバトナーのものと比較すると、価格は若干安かったので驚異的でした。
ただでさえバトナーのニットは品質に対して価格が抑えめなのに、よくこんな企画が通ったなと思っていたのですが、案の定無くなってしまいました。
私の記憶では4〜5年くらい前に作られたのを最後にここ数年は企画されていません。非常に使いやすく品質はもちろん文句なしの出来栄えだったので、また再販されることを強く望んでいます。
次にミドルゲージタートルネックニットです。

私はブラックを購入しました。こちらは今季のラインナップにもある色です。
タートルネックのタイプも、サイズ感を含め作りが同じくシンプルで上質さが分かりやすくなっているのが特徴です。
タートルネックって生地によっては首周りのチクチク感が気になる方もいるかと思います。
私自身チクチク感にはかなり敏感なんですけれども、これは全く気にならないので、こちらのタイプもお気に入りで秋冬はよく着用しています。
セレオリとブランド品は何が違うのか?
セレオリだからブランド品と比較して何か品質が違うのではないか?と不安に思う方もいるかもしれません。
ですが、結論から言うと両者の違いは企画が違うだけでクオリティは同じです。(企画が違えば当然デザインやシルエットなどの作りそのものは異なりますが)そもそも、そうでないと品質には絶対の自信がある奥山メリヤスのプライドが許さないですよね。
アローズのニットも具体的なブランド名こそ書いてありませんが、見る人が見たらブランド品に全く引けを取らないクオリティだと分かります。
これらのクオリティは、もはやブランド品とセレオリの境界線とは何かを考えさせられますね。
残念ながら世の中にはブランド名だけで判断し、セレオリのことを小馬鹿にしている方もいます。
そういった方にはぜひこういったニットをブラインドで見せてみてください、きっと本質を見る目がいかに大事かが分かって反面教師となってくれるはずですから。(もちろん相手に対して答え合わせは必要ないです、そういった方を論破したところで何にもならないですし)
常々主張していることですが、どんな情報も事実をいかに自分の考えや認識の中で精査し本質を見抜けるかが大切です。
ブランド名がないと不安になってしまう気持ちも分からなくはないですが、それが幼く映って違和感を受けないのは若いうちまでです。
洗練された素敵な大人でいるためにも、ファッションにおいて本当に大切なことは何かを改めて考えてみる必要があると感じます。
本質を捉えたアイテム選びが大人には重要
アローズの奥山メリヤス製セレオリ品ニットは、奥山メリヤスの技術や経験に裏打ちされた高品質なアイテムです。
決してセレオリだからといった先入観で見るのではなく、本当に大事なことはどんなものでもアイテムそのもののクオリティですよね。
それが見た目や着心地に表れているかどうかが問われます。
思い込みがいかにファッションの足を引っ張る存在なのか、我々大人は今一度認識することが重要です。
ぜひ参考にしてみてくださいね!