こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
スーツのネクタイ選びは難しいですよね。
というのも、スーツスタイルはカジュアルに比べて使えるアイテムの自由度が低いです。
その中でネクタイというのは、比較的自由度が高いアイテムであると同時に、ここで差がつきやすいものでもあります。
スーツスタイルで最も人に与える印象の大きい「Vゾーン」にも深く関わるアイテムのため、ネクタイが原因で素敵に見えない方も非常に多いです。
洗練された印象を与えるためには、どういったネクタイ選びをすればいいのでしょうか?
目次
たくさんの数は要らないので、上質なものを選ぶ
スーツはそんなに数を持っていなくても、ネクタイはたくさん持っているという方は多いです。
心当たりがある方は、思い出してみて欲しいんですけれども、「実際に使っているネクタイ」はそんなに数多くありませんよね?
中には「全く使っていないネクタイ」もかなりあるはずです。
そう考えると、本当に必要なネクタイの数は少ないので、「数を揃えるよりも、少数精鋭で上質なものを選ぶ」ことが大切になります。
ネクタイの幅は「大剣幅が8センチ前後」がベスト
若い方を中心に、ネクタイは細めの「ナロータイ」をしている方もよく見かけますよね。
あまりにも細すぎるナロータイをしている方も一定数いますが、幼い印象やキザな印象を与えがちで、大人の着こなしには不向きなため避けたほうが良いでしょう。
特に年配の方がナロータイを着用していると、なかなか雰囲気とマッチしないので注意です。
ネクタイは「大剣幅が8センチ前後」のものを選ぶことをおすすめします。
これまでナロータイをつけていた方にとっては、初めは幅が太く感じるかもしれませんが、慣れてきたら細いネクタイに戻れなくなるはずです。
ネクタイの長さは「ベルトの中間位置」が適正
ネクタイの長さは、「ベルトの中間位置」にくるように合わせるのが、最もバランス良く見えます。
これより短すぎるものだと子供っぽいですし、逆に長すぎるものだとおじさんっぽくなってしますので、「”長すぎず短すぎず”のちょうど良い長さ」が必要です。
ネクタイは「全長140センチ以上」のものを選ぶのが一般的になりますので、これを目安としてみるのが良いでしょう。
「スーツとネクタイはどんな組み合わせでも大丈夫」は間違い
スーツとネクタイの関係についても様々な方が指南されていて、中には個性的な考えの主張もあります。
その中の一部が、「スーツとネクタイは、どんな組み合わせでも大丈夫」というものです。
しかしながら、洗練された印象を与えるかどうかを考えた場合、「ネクタイの組み合わせは気にしない」というのは、実は正しくありません。(さらにいうと、スーツだけではなくシャツとの組み合わせも関係してきます)
もしそれが本当なのであれば、「ほとんど全ての人がVゾーンは整っていて、洗練された印象・着こなしとなっている」はずですが、実際にはそうではないため、このことは明確な誤りであると言えます。
これついては、誤解が広まっているのが現状です。
ネクタイは「色彩上のイメージ」だけに惑わされない
スーツスタイルで、「鮮やかな色のネクタイや、明るい色のネクタイを合わせる」着こなしをしている方は、本当に多いですよね。
そうしたネクタイをスーツに合わせて、「爽やかな色使いなのでおすすめ」などの指南をされている方もいます。
ですが、よく考えてみてください。
「爽やかに見える色使い」は、必ずしも「洗練された(おしゃれに見える)色使い」ではありませんよね。
仮に、爽やかに見える色使いをしていたとしても、それは「(アイテム単体の)色彩上のイメージ」だけでの話です。
服というのは、当然のことですが「人が着るもの」なので、「人が着た状態で素敵に見えるかどうか」が重要となります。
だからこそ、色彩上のイメージがどうであるかは、最優先すべき事項ではありません。(洗練された着こなしを理解した上であれば、色の持つイメージの力を味方につけるのは有効ですが)
特に、「ネイビースーツに明るい赤のネクタイ」を合わせている方は本当に多く見かけます。
これだと、学生さん・タクシーの運転手さん・漫才師の方の衣装に見えてしまうので、避けたほうが良いです。(最近だとトランプ大統領も連想するかもしれませんね)
「単体」だと素敵に見えるネクタイは要注意
ネクタイも「人が着た状態で、どう見えるか」が大事なことは、前述の通りです。
このことを理解されていない方が、スーツの着こなし指南を安易に行なってしまうと、スーツスタイルで「めちゃくちゃな色使い」をするビジネスマンが増えていってしまう結果となります。
ただし、これについては仕方ない部分もあると考えています。
まずスーツ指南をされる方の中には、日常的にスーツを着る機会が少ない方もいるでしょうし、そもそも日本人は「スーツの着こなし」について教養がないこともあってか、無頓着な方が多いからです。
それを踏まえた上でネクタイ選びは、「ネクタイ単体で素敵に見えたとしても、ビジネスシーンにおけるコーディネートに合うとは限らないため、スーツスタイルに合うかどうかをきちんと見極める」ことがポイントになります。
特に注意しないといけないのが、「ネクタイ単体で見た時に、色鮮やかな色味で素敵に感じるもの」です。
単体でパッと見て「色鮮やかな色味」だと感じるものは、往々にして「スーツを実際に着た上で合わせると、ネクタイだけが浮いて見える」ことが多くあります。
したがって、そうした「色鮮やかな色味のネクタイ」は要注意です。
ネクタイの色でおすすめの色は「ネイビー・ブラウン」
それでは、どういった色のネクタイが使いやすいかというと、「ネクタイ単体では地味に見えたとしても、スーツと合わせたらコーディネートに馴染んで上品に見えるもの」です。
とはいえ、それだけでは「どんな色を選んだらいいのか」と迷う方もいるかと思います。
そこで、私がおすすめするネクタイの色は、「ネイビー・ブラウン」です。
どちらの色も、ビジネスシーンで使われる「ネイビースーツ・グレースーツ」両方に合う色のため、とても使いやすく定番になります。
もちろん、他の色でも使えないことはありませんが、選ぶ難易度が高くなるので、この定番的2色をまずは揃えるべきです。
ネクタイは「無地と柄」それぞれを揃えておく
色以外にも気を配るポイントがあります。
それは、「無地と柄」の使い分けです。
「どちらが良い」というわけではなく、この2種類はスーツスタイルで最も重要な「Vゾーンの作り込み」に大きく影響があるため、「どちらも必要」なものになります。
無地ネクタイで私のおすすめは、純粋な無地でも良いんですけれども、「表面に織柄が入っていて、生地に表情があるもの」がビジネスシーンでは使いやすいです。
https://www.instagram.com/p/BvQqYr5BshD/
そして、柄のネクタイといえば、多くの方が「ストライプのネクタイ」は持っていると思います。
ストライプでも問題ありませんが、「クラシックなスーツの着こなし」に詳しい方の中には、歴史的・文化的背景から「ストライプタイはビジネスシーンにふさわしくない」と考えている方もいるので、TPOに応じて避けたほうが良い場面もあるかもしれません。(もしストライプタイを使うのであれば、ストライプのピッチが太いものを選ぶのが良いでしょう)
私がおすすめする柄ネクタイは、「小紋柄のネクタイ」です。
https://www.instagram.com/p/BvQ0s49hwWK/
「小紋柄」というのは、あまり馴染みのない方もいるかもしれません。
しかし、スーツのVゾーンによく合う定番柄なので、積極的に活用してみてほしいです。
上質なネクタイでスーツスタイルを洗練された印象にしよう!
「ポイントを抑えたネクタイ選び」ができるようになると、スーツスタイルが劇的に変わります。
ネクタイにたくさんの数は必要ありません。
数は少しでいいので、「上質で使いやすいもの」だけをワードローブに加えるようにしたいものです。
ぜひ参考にしてみてくださいね!