こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
前回、インナー用途でおすすめのTシャツとして「Hanes(ヘインズ)」の「Japan Fit Pack T-shirts(ジャパンフィットパックTシャツ)」をご紹介しました。
おすすめインナー!Hanes Japan Fit Pack T-shirtsをレビュー!【大人の名品・定番品 Vol.7】
ヘインズのパックTシャツは、「上に着るアウターのシルエットを邪魔しない」という特徴を持っており、インナーとしては完成度が高く素晴らしいアイテムです。
そのため、私自身ワードローブには欠かせないアイテムとして重宝しています。
しかし反面、個人的には正直、ヘインズのパックTシャツは「アウターとして着用するには少し頼りない」と感じてしまいます。
それは生地感を含め、全体的な作りの面で「主役級」のアイテムには見えにくいためです。
したがって、「アウターとしては着用せず、インナーとしてのみ用いるコーディネート」の時に活用するのをおすすめしています。
とはいえ、TPOに応じて「上に着るアウターを脱いで、インナー1枚になりたい」場合ってありますよね。
そう考えると、「インナーとしてレイヤードにもピッタリ」だし、「アウターとして1枚着でも着用できる」Tシャツが条件です。
今回は、そんな「インナー・アウター両方におすすめのアイテム」をご紹介します。
目次
BATONER / Pack T-shirts
私が愛用しているのは、日本が誇る山形のニット専業ファクトリーブランド「BATONER(バトナー)」の「Pack T-shirts(パックTシャツ)」です。
ニットメーカーであるバトナーのTシャツといえば、これまで定番的だったのが高品質な「ウールニットTシャツ」でした。
そんなバトナーが手掛けたパックTシャツということで、期待して試してみたところ、これが大当たり。
一般的には「手軽な価格帯」であることの多いパックTシャツにしては、結構高めの価格です。(それでもバトナーの製品の中ではかなりリーズナブルなほうですが)
しかしながら、一度着用して試してみれば、その価値は充分に理解できると思います。
シンプルな見た目ながら計算されたディテール
シルエットはパックTシャツらしくシンプル。
ゆったりシルエットであるウールニットTシャツと比較すると、ゆったり過ぎずタイト過ぎずの「ちょうど良いジャストサイズ感」ですね。
ただし、一見するとスタンダードな作りに見えながら、実は工夫が詰まっています。
公式サイトを含め、どこにも書かれていないのが不思議なくらい、特筆すべきディテールが2点。
まず、「アームホールが絶妙な細さ」ということ。
「窮屈に感じないギリギリのところまで計算されて絞られている」のが特徴です。
これにより、「上に着るアウターのシルエットに響きにくい」ようになっています。
次に、「肩のラインが出っ張らない」ということ。
Tシャツをインナーとして用いる場合、上に着るアウターのシルエットに響きやすい箇所として特に挙げられるものの1つが「肩のライン」です。(厳密には、「首元から肩を通り、袖にかけてのライン」になります)
これを意識せずに着用している方を見て、「下に着たインナーの、ボコボコとした出っ張りが分かるな」と思う時ってありますよね。
その点、バトナーはここでも緻密に計算された縫製により、上に着るアウターのシルエットの邪魔にならないようになっています。
肩周辺のラインというのは、Tシャツの体に対する重心が大きい所ですし、それだけ縫製的にも大事な部分です。
ここを手を抜かずに作り上げているというのは、それだけコストもかかっていますし、素晴らしいことだと感じます。
特殊加工された生地を丸胴編み機で編立している
バトナーのパックTシャツは、表面をよく見てみないと分からないくらい細かい「凸凹感」のある生地です。
このため、「サラッとした着心地」になります。
「コットン100%」のハリのある生地ながら、特殊加工を施すことにより、「柔らかさ」もあわせ持っているのが特徴です。
この生地を「貴重な丸胴編み機」で織っていくことにより、脇に縫い目が生まれず「シームレス」になります。
生地的にも、縫製的にも、どちらもこだわり抜いて作られたTシャツは、着心地抜群です。
ぜひ一度、このクオリティの高さを試してみてもらいたいですね。
「生地のハリ感」「作り込みの精度」等に安心感があるので、インナーだけでなくアウターを脱いだ場合の「1枚着」としてもおすすめできるアイテムです。
BATONER / UNITED ARROWS別注パックT
バトナーのインライン(通常品)のパックTシャツも非常に良いアイテムですが、他にもおすすめがあります。
それが、セレクトショップ「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」の「別注パックT」です。
基本的な作りはそのままに、「ネックの襟幅をインラインよりも細く」仕上げています。
それにより、「さらにクリーンな印象」となっているのが特徴です。
そして、インラインは首後ろの部分に「ブランドタグ」が縫い付けられているのに対し、アローズ別注品は「プリント」となっており、すっきりとしています。
ところが、アローズの別注以降、インラインのほうもブランドタグがプリントに変更されて同じになりましたね。(上記で載せている画像で、私が所有しているのは以前のモデルになるためプリントタグではありません)
カラーに関しても、インラインのブラックに比べて若干「フェード感(色あせた感じ)」があるブラックとなっており、独特の雰囲気があります。
そのため、一見するとネイビーに近い色味になっているといえるのかもしれません。
とても使いやすいアイテムだったので、色違いの「ホワイト」も購入しました。
こちらは、パキッとした白さの「ピュアホワイト」です。
白Tシャツとして重要ポイントの「透けにくい生地」というのも、しっかりとクリアしています。
価格的にも「700円」程しか違いはないため、別注品も選択肢の1つとしておすすめです。
上質なパックTシャツで着こなしを洗練させよう!
インナー用途として「パックTシャツ」は人気ですけれども、そのクオリティは様々です。
インナーとしては使えても、アウターとしては頼りないアイテムも中にはあります。
バトナーのパックTシャツは、インナー・アウターのどちらにも活躍するアイテムです。
それゆえ、体感温度を調節したい時期にも気軽にアウターを脱げて、1枚着としても着用できます。
ぜひ参考にしてみてくださいね!