こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
前回、現実的なビジネスシーンに寄り添ったクールビズについて記事を書きました。
今回は、前回の続きでクールビズを素敵に見せるためのポイント「トラウザーズ」についてご紹介していきます。
目次
トラウザーズ
スーツの組下パンツを使うのはNG
クールビズで用いるトラウザーズですが、いつも着ているスーツの組下パンツを使うのはやめましょう。理由は3つあります。
1:着用時間の違いによる生地の傷みを防げる。
普段着ているスーツのジャケットを使わずにパンツだけを着用しつづけていると、パンツだけが夏の強い日差しを浴び続けて傷んでしまいます。
そうするとパンツだけ日焼けも進み、クールビズ期間が終わったあと組上のジャケットと合わせて着たら、上下で色の差異も出てしまいます。
特に、濃い色味のスーツを着用している人は分かりやすいので注意です。
2:スーツでは持っていない色味が使える。
通常、スーツは濃紺や濃いグレーなどが多いです。
そのままパンツだけを流用すると色味が暗すぎて重たい印象になってしまいます。
そこで、少し明るさを取り入れたパンツを選択するのがポイントです。
グレーかネイビーどちらを選ぶかですが、これに関しては好みで大丈夫です。
もし迷われるようでしたら私はネイビーをおすすめします。
ネイビーを選ばれる際は、黒に近いものより青みが強いものを選んでください。前回紹介したブルー系シャツと合わせることでトーンオントーン配色となり、青色が持つ清涼感のイメージも季節感とマッチして爽やかになります。
なお、ショップ・ブランドによっては「ネイビー」ではなく「ブルー」表記になっていることもありますので探してみてください。
定番のグレーを選ばれる場合も明るさを取り入れたものを選んでください。
こちらもショップ・ブランドによって「グレー」や「ライトグレー」表記になっていることがありますので見てみてください。
3:夏向けの機能性を上げることが出来る。
ここが1番重要な理由です。内容が多いので順を追って詳しく紹介します。
まず、機能性が上がることは着こなしに興味がない人でも嬉しいことですよね。
通年使うスーツだとウール100%のものが多いと思います。
この通年用・秋冬用のウールで仕立てられたトラウザーズのままだと高温多湿な日本の夏では暑すぎます。
これを夏向けの素材を使うことで改善することが出来ます。
コットンやポリエステル配合の素材がおすすめです。ポリエステルは複合繊維といった記載をしてあることも多いです。
ただ、「ウール100%以外なんて、そんなの紳士のスーツとは認めない!」みたいな主張をしている方もいます。
その中でも「ポリエステル配合素材を使ったものは粗悪なので絶対に認めない」という方は比較的若い方でも一定数いるので、昔はそうだったのかもしれないけど現在の技術革新は素晴らしいからイメージだけでそれは誤解だよと言いたいです。
ウールの中でもトロピカルウールと呼ばれる夏向けのウールがあり「通気性が良いので涼しい」という謳い文句で紹介されウール100%支持者からも支持を得やすいです。
けれども、正直カジュアルに用いるのではなくビジネス向けのアイテムに用いてもあまり実感はできないです。
中には確かに良いものもありますが、ほとんどがショップの店員さんに聞いても「誤差の範囲くらいです」と言います。
ありがたいことに現在はクールマックス等の高機能素材もたくさん出ています。
それらのポリエステルを配合した素材の方がよっぽど機能性は上ですのでおすすめです。
そういった素材のトラウザーズは、着心地以外の部分でも実はおすすめできる理由があります。
それはポリエステルが含まれていると取り扱いが楽になるという点です。
ここは容易に想像がつくと思います。
涼しさだけの観点から見ると、リネン(麻)を用いたトラウザーズもありまして確かに通気性は良いのですが取り扱いが大変です。
とにかくシワになりやすいのでマメな性格の人でないと綺麗に着こなし続けるのは難しいです。
それに対してポリエステルだとシワになりにくい。
しかも夏暑くてたくさん汗をかいても、その後クリーニングや洗濯を気軽に出来ます。
ここは大きな利点ですよね、夏は積極的にこういった高機能素材のものを特に探してみてはいかがでしょうか?
以上3点がスーツの組下パンツを使うのではなくクールビズ専用品を購入したほうがいい理由です。
シルエット
クールビズ向けのトラウザーズのシルエットは細身のテーパードシルエットを選ぶのがおすすめです。
一時期流行したかなりピタピタしたスキニーシルエットは避けたほうがいいでしょう。
ホストっぽくキザに見えてしまいますので印象がプラスに働かないです。
ショップにあるテーパードシルエットのトラウザーズでも充分細身でスタイルを良く見せてくれます。
裾上げ
購入するものを選んだらそれをどう仕上げるか考えなくてはいけません。
シングル or ダブル
トラウザーズの裾上げの種類はシングルとダブルの2つがあり好みが分かれますがおすすめはダブルです。
欧米ではビジネスシーンにおいてダブルがスタンダードですが、日本ではシングルにしている人のほうが多いので単純に差別化になります。
「ダブルはカジュアルな印象にしたい人向きです」という説明をする方も多いですがそんなことはないですので安心してください。
ダブルの幅はスーツの場合だと一般的には3.5〜4センチですが、クールビズの場合3.5センチにしてベーシックの範疇で少し軽やかさを出してみてもいいですね。
クッション
次にクッションです。
ノークッション・ハーフクッション・ワンクッションと種類がありますが、クールビズでおすすめはノークッションかハーフクッションです。
ノークッションの方がより印象が軽やかになります。
落ち着いた雰囲気に仕上げたい方はハーフクッションにしてみるといいです。
いずれの長さに仕上げるにしても注意すべきことは実際の仕事靴を履いて測るということです。
なるべくなら自分が使用している仕事靴を履いて裾上げしてもらうといいです。
少なくともスニーカー等のカジュアル靴で行ってそのまま測るのは仕上がりの長さが正確に分からないため避けてください。
もしどうしても避けられない場合は、店員さんに言えばビジネスシューズを借りられますので使わせてもらいましょう。
以上、ビジネスシーンに寄り添った再現性のあるクールビズ【トラウザーズ編】をご紹介しました。
その他のアイテムもまた改めてご紹介しますのでそちらも参考にしてみてくださいね!