ファッション分析・考察

服のサイズ表記で「1・2・3」とは?「S・M・L」と何が違うのか?

2019年2月8日

こんにちは。

ファッションアナリストの七理悠介です。

 

服を購入する時に調べるサイズ。

その表記には「S・M・L」をはじめ、様々なものがあります。

中でも、たまに見かける「1・2・3」の表記とは一体何なのでしょうか?

 

そもそもサイズ表記は何を表している?

一般的に最もよく見るのが「S・M・L」です。

これについては多くの方にとって馴染みがあり、直感的に分かると思います。

順に小さなサイズから大きなサイズになっていくことを表していますよね。

 

他にも使われているサイズ表記は、

ジャケットは「44・46・48…」

ジーンズは「29・30・31…」

靴は「6・6.5・7…」

などの種類があります。

 

これらは「胸囲」「ウエスト」「足」など体のサイズを基準とした表記なのですが、使われる数値は国によって違うため注意が必要です。

特に注意すべきは、「靴」のサイズ表記。

同一アイテムが「メンズ」「ウィメンズ」のそれぞれに販売されていることもありますよね。

そのような場合、同じ数値でも「男女でサイズが異なる」ので、間違えないようにしないといけません。

 

こういった表記を見ることによって、自分の体のサイズに当てはめて考えることができるため、サイズ選びの際には有用です。

けれども、本題の「1・2・3」の表記は、体のサイズを表しているわけではありません。

 

「1・2・3」のサイズ表記にはブランドの意図が含まれている

時々、「服のサイズ表記で1・2・3とは、そのまま順にS・M・Lのことです」と説明されている方がいますが、これはよく理解されていないのだと感じます。

なぜなら、サイズ表記をわざわざ「1・2・3」と記載しているのは、実は「ユニセックスで着てもらいたい」という「ブランドの意図」が含まれているからです。(これだけが理由ではない場合も存在しますが、往々にしてそうですね)

 

近年、コレクションにおいて「男女で分けずに発表するブランド」も増えてきています。

そのため、同一アイテムを女性が着ていたり、男性が着ていたりしますよね。

これは、「男女どちらでも着られるようにデザインされた服なので、自分にあったサイズの服で楽しんでくださいね」というブランド側からのメッセージです。

 

そうしたアイテムには「1・2・3」どころか、「0・1・2・3・4・5…」と幅広いサイズが用意されている場合もあります。

我々顧客はブランドの意図通り、その中から「自分に合ったサイズ」を選んで着用すればいいんです。

そこにはルールなんて存在していません。

サイズ「5」を女性が着てもいいですし、逆にサイズ「1」を男性が着てもいいわけです。

 

つまり数字が何番だろうと構いません。

自分に合ったサイズであればいいので、「”誰にとって”のサイズなのかが定義されていない」ため基準となるものが無く、その他の記載方法では表現しにくいんです。

だから、「1・2・3」が「S・M・L」だとは限らないということになります。

 

ですが、そういった意図がなくても、「S・M・L」を「1・2・3」に置き換えただけと思われるようなブランドも現実的には見受けられますよね。

私はサイズ表記にこだわりはないので、「S・M・L」の意味で「1・2・3」を使用しているブランドに目くじらを立てることはありませんが、それであれば普通に「S・M・L」と記載してあげるほうが「お客さんには分かりやすくて親切」なのではないかと感じます。

 

今季、私が購入したブランドのニットもサイズ表記が「1・2・3」でした。

購入したアイテムはメンズフロアに置かれていましたが、女性が購入して着用されていることもありましたね。

スタッフの方が女性のお客さんからの要望を受けて、メンズフロアでアイテムを探しに歩き回られている姿を私も実際に見かけたことがあります。

 

「服のサイズ」「自分の体のサイズ」を正しく把握することが重要

「S・M・L」「1・2・3」など服のサイズ表記がどうあれ、大切なことは「実際のサイズ」ですよね。

「表記上はSサイズとなっていたけれども、実際に着てみたら結構大きかった」「普段Mサイズを着ていることが多いけれども、実際に着てみたら1サイズ上のLサイズで良かった」ということもよくあると思います。

 

したがって、「実際の服のサイズ」を正しく把握し、どれくらいのサイズ感なのかを理解することが重要です。

服を購入する際に、ネットであらかじめアイテムをチェックする方も多いのではないでしょうか。

しかし、ファッションのプロでもない限り、洋服のサイズ表を見ただけでは、なかなかサイズ感というのは想像しにくいですよね。

 

だからこそ、「なんとなく」でサイズを選ぶのではなく、しっかりと「このアイテムは、これくらいのサイズ感か」と理解することが大切になります。

例えば「ジャケット」の場合、「自分が持っているジャケットのサイズを測り、それと比較してみる」ことで視覚的にサイズ感を理解することが可能です。

 

そのためには、ちゃんとした「採寸メジャー」を使用して、手持ちのアイテムを実際に測ってみることをおすすめします。

採寸メジャーの定番!ヘキストマスは服や体のサイズ測りにおすすめ!【大人の名品・定番品 Vol.8】

採寸メジャーが1つあるだけで、ネットでサイズを調べても、自分にピッタリなのかどうか分かるので便利です。

 

また、普段から「自分の体のサイズ」を測って覚えておくことも、洋服の買い物においては重要だと感じます。

自分の体の各部位を測ることによって、自分の体の特徴も分かりますし、それを把握したうえで洋服選びができるからです。

 

時代を反映させたサイズ感を楽しもう

服のサイズといえば、一時期はタイト一辺倒でしたよね。

しかし現在は、緩いサイズ感が時代を反映させたものとなっています。

時代によって変わるサイズ感を受け入れるというのも、「変化を楽しむ」といった面でまた面白いものです。

 

ファッショントレンドがジェンダーレスに寄ってきているのであれば、どうせならそれを利用して自分のスタイリングに活かしてみると、これまでとは違った視点で新鮮に感じられると思います。(もちろん過度なものになると大人向けとは言えないでしょうが)

男性が着ているアイテムを女性が大きめなサイズ感で着こなし、男女でシェアしてファッションを楽しむというのも素敵でおすすめです。

 

ぜひ参考にしてみてくださいね!

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