こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
「ファッションは差別化が大事!」と様々なメディアで勧められています。
大多数の人と比較して何かが違うからこそ価値が出てくるのは間違いないので実際その通りです。
ですが差別化が最優先となってしまい、何のためのコーディネートなのか目的を見失っているケースをよく目にします。
前回、女性ウケ・人受けするファッションについてご紹介しました。
その際、おしゃれすぎることの弊害についてご紹介しました。
おしゃればかりを求める方とは対照的に、とにかく地味なファッションをすべきと主張している方も多くいます。
確かに地味だと周囲とも馴染み問題なさそうに感じますが、あまりにも地味すぎると人との違いを気づいてもらえない可能性もあります。
今回は、社会集団から浮くことなくファッションで差別化をするにはどうすればいいかご紹介します。
目次
普通の大人のファッションでの差別化
おしゃれか地味、どちらかだけを取るファッションは比較的誰でも簡単にできます。
ですが、どちらにも振りすぎないバランス感のあるファッションは、丁寧にコーディネートを組み立てないと表現できません。
おしゃれすぎず地味すぎない普通の大人のファッションの差別化は、人との違いを気づいてもらうだけで充分です。
それ以上でも以下でも過度になりすぎるのでこれを目標として設定してみましょう。
ここから外れないようにするために注意すべきポイントを挙げてみます。
単体のアイテムで一発逆転はできない
学生時代等の若い時には、人が持っていないような目玉アイテムを取り入れるだけでおしゃれだと褒められることもあったでしょうが、年齢を重ねた大人がそれを再現しようとしても理解されず失敗してしまいます。
アイテム単体だけで人はコーディネートを素敵だとは感じにくく、意表を突こうと奇抜なものを選ぶと逆にマイナス評価を受けてしまうからです。
全身のアイテムを手抜きして単体のアイテムだけでそれを挽回しようとしてもできないことを前提条件として理解しておいてください。
差別化できるアイテムを選ぶことも重要ですが、過度になりすぎないために、まずは一見ベーシックに見えるアイテムの合わせ方・組み立て方でそれを表現することが可能だということを忘れてはいけません。
着てみるまで服の真価は分からない
ショップに行った時に置かれているアイテムを見て、安易に目を引くものを人は選びがちです。
ファッションにハマっていくと少しでも差別化をしようという意識で服を見てしまうため、どうしてもそういったアイテムばかりが魅力的に感じてしまいます。
その結果、お店に置かれている状態では特徴のないように思えるアイテムを手に取ることは少なくなってしまいます。
けれど、そういった一見特徴のないように見えるアイテムこそが狙い目です。
置かれている状態と着てみた状態で印象が違うものは結構あります。
そういった着た時にしか分からないような、「ディテールが与える印象で差別化できるもの」を意識して探してみてください。
お店に入って面白くなさそうなアイテムもまずは試着をしてみましょう。
着てみるまでは想像もしていなかったような自分が素敵に見えるアイテムを発見した時にきっと驚くはずです。
このことは色々なアイテム共通で言えることですが私の経験上、特にジャケットは本当に着てみるまで良さが分からないものが多いですので参考にしてみてください。
サイズ調整は差別化の基本
デザイン・色味が素敵なアイテムでもサイズまで自分にピッタリ合っているとは限りません。
そもそも同じ人は一人として存在しないように人の体型は様々です。
ですが、洋服のサイズはS・M・L等の大雑把な枠しかありませんので、それだけでは万人に合わせることなど不可能です。
ジーンズの裾上げくらいしかサイズ調整をしたことがない方も多くいると思いますが、他のアイテムはやらなくていいなんてことはありません。
面倒だと感じるかもしれませんが、こうした細部こそ印象が変わるのに、誰でも気を配るわけではないため差別化につながるので必ずやってみてください。
調整する時には自分だけで決めずに店員さんにお願いしてシルエットを確認してもらい、自分にとってベストなサイズにしてもらいましょう。
差し色はかなり注意して使う
ベーシックなコーディネートを勧めている方でも、地味になりすぎないために派手な差し色を取り入れる意見を多く見かけます。
具体的には面積の小さい靴や小物での取り入れ方指南をよく目にします。
確かに有効な方法で理解はできますが、安易に取り入れるのは注意が必要です。
実は、女性のコーディネートの組み立て方には、靴や小物にイエロー・ターコイズブルー・シルバー等の差し色を使うのは非常に効果的でおすすめです。
しかし、男性がそれをそのまま真似して、カラフルで目立つ差し色を使うのは難易度が高くおすすめできません。(うまく使えれば非常に効果的なんですが)
男性だと「赤」を差し色として靴等に使う方が多いですけれども、これも同様です。
女性とはメイク等も含め華やかさが異なるので、もっと落ち着いた色を使ったほうが男性には簡単です。
おすすめの差し色は、白・ライトブルー・ダークブラウン・オリーブ(カーキ)です。
特に白はベーシックすぎて差し色と認識している方は少ないですが、有用性の高い立派な差し色です。
要は、コントラストをつければ地味すぎる印象を脱却できるので、白はとても相性がいいんです。
男性のファッションは全身暗いトーンの色になりがちなので、覚えておくと便利ですね。
さらに最近トレンドにもなったマスタードも使える色ですが、色に幅がかなりあり全てが使いやすいわけではないので気をつけてください。
マスタードを取り入れる際は、イエローに近いものではなくブラウンに近いものを選ぶとコーディネートに馴染みやすいのでおすすめです。
ブランドネーム・ショップで判断しない
これはほとんどの方が自覚なく服を選んでしまうので要注意です。
「ブランドだからってことで飛びついて選ぶなと言いたいんでしょ?」と思われるかもしれません。
ブランドネームだけで判断するなと様々なところで主張がされているのでそれについては理解されている方も多いと思います。
もちろんそれも正解ですが、その件とはまた少し違う問題ですので最後までよく注意して読んでみてください。
差別化するにあたって本人の潜在意識はとても重要です。
多くの方が、普段買い慣れたブランドやショップで服を選ぶと思います。
その際に、選んだアイテムが普通の大人に向いているものなのか慎重に見極める必要があります。
そんなこと言われなくても分かってるつもりでも、人は無意識に普段よく知っているものの範囲だと安全圏だと判断してしまいます。
安全圏内だと自分では冷静に判断しているつもりでも、実際には慣れでその感覚は麻痺しており完全に機能していないことが多々あります。
初めて通る道は気をつけて進むのに、毎日よく通る道ではあまり意識していないですよね?それと同じです。
「このブランドは買い慣れている・このショップは通い慣れている」といった思い込みが潜在的に選定条件を狂わすケースは非常に多いです。
「なんかちょっと違う気もするけど、いつも買うブランド・ショップだから間違いないはず」と盲目的になってしまった経験はありませんか?
これを防ぐためにも、自分にとっての慣れた安全圏内だからこそブランドネーム・ショップで判断しないことが本当の意味でも大切です。
慣れた「いつもの」が、はたして本当に「普通の大人にとってズレた差別化」になっていないか、今一度よく見直してみましょう。
普通の大人の差別化はディテールの集積
差別化するにあたってのポイントをいくつかご紹介しました。
どれも無意識に行うのは簡単ではないかもしれませんが、それこそが大人のおしゃれと呼べるものですので一つ一つマスターしてみてください。
普通の大人は目立つものを安易に使わず、細部にまで気を配ったディテールの集積によって差別化を図ることが重要です。
ぜひ参考にしてみてくださいね!