こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
みなさんはファッションで柄アイテムって使いますか?
私は柄アイテムが便利なので、ワードローブになくてはならない存在となっています。(もちろん無地も多く利用します)
ですが、最近は「ファッションは無地が簡単!柄は難しいから避けるべき!」といった風潮があるように感じています。
果たして本当に柄より無地が簡単なのでしょうか?
目次
「全身柄だけ」でなく、「全身無地だけ」のコーディネートも簡単ではない
私は、ファッションにおいて「無地だけ」のコーディネートは、多くの方が思っているほど簡単ではないと考えています。
誤解がないように強調しておきますが、「無地が難しい」と主張しているのではありません。
「全身無地だけ」しか使わないコーディネートは、柄を使うものより難しい」と伝えたいんです。
さらに補足しておくと、無地だけのコーディネートとは反対に、当然「全身柄だけ」のコーディネートは難しいとも認識しています。
全身柄だとうるさい印象になりがちですし、普通の大人には着こなすことが難しいです。
何故、全身無地だと難しいのか?
よく「地味なファッションこそが大人向き、だから全身無地がおすすめ!」といった意見をしている方を見かけます。
しかし、無地だけだと人はパッと見て特徴を感じにくいです。
ほとんどの人がファッションにそんなに造詣が深いわけではないですよね?
一般的な普通の人は、大きな特徴のない「アイテムのこだわり」や「縫製の素晴らしさ」を即座に気づくことは出来ません。
すると、人との違いを気づいてもらいにくくなってしまうので、差別化を図る難易度が高くなってしまいます。
それにより人から見て他者との優位性が出せず、印象を良くする武器としてファッションを使えなくなってしまうことが問題です。(大した問題じゃないように感じるかもしれませんがこれは重要なことです。そもそも、地味なだけのファッションは普通の大人向きではないので、近々改めてまた詳しくご紹介します)
そのため、「全身無地はそんなに簡単なものではない」と主張しているのです。
大多数の一般的な人から見て「素敵な人だな」と感じ取ってもらうことが日常生活において大切ですよね。(印象を良くしたい特定のターゲットがいるなら別です)
それを実現するには、「コーディネートに柄を取り入れて違いを分かりやすいようにしてあげる」ことが簡単な近道です。
柄は無地と比べて「ごまかせる」
差別化以外に、もう1つ柄を使うメリットというのがあります。
それは、無地のものと比べて柄が入っているとクオリティがごまかせるという点です。
無地だとごまかしが効かないので、素材そのもので勝負しなくてはいけなくなります。
ところが、素材にこだわった良質なものは価格が高いんです。
よく見てみてください、無地で洗練されたものはそれなりに高いものばかりですから。
アイテムの価格が高くなってしまう大きな原因の1つが素材の品質にあります。
その点、柄が入ることによってこれをごまかせるようになります。
同じようなアイテムでも無地だと高くて、柄はリーズナブルな傾向にあるのはそのためです。(柄モノでも高いアイテムはたくさんありますが、それはまた他の要素が入ってきます)
したがって、ファッションで柄モノも利用したほうが経済的だとも言えます。
誤解が広まった原因
どうしてこの無地ばかりが勧められる現象が起きているのかは、昨今流行りのファッション指南本が発端ではないかと考えています。
ファッション指南本による影響で無地のアイテムばかりが推奨され、まるで柄アイテムが使いにくい・難しいものであるかのような誤解が広まっているように感じています。
この先入観にとらわれてしまった方は実際に多く、本に書いてあることを全て鵜呑みにして「柄アイテムは避けましょう」と主張している方も数多く見受けられます。
当然のことながら、どんなに有名な方や指南本が主張しているからといって、その全てが正しいとは限りません。
けれども、ファッションに限らず人は最初に見た・読んだものこそが正解だと思い込みやすく、それ以降の情報がインプットされにくくなってしまいがちです。
しかもこの危険性は無自覚であることが多いため、自力で抜け出すことは難しいと思います。
常々主張していることですが、どんな情報も事実をいかに自分の考えや認識の中で精査し本質を見抜けるかが大切です。
普通の大人は「無地と柄を組み合わせたコーディネート」がおすすめ
全身無地だけ、または全身柄だけの難しさは前述の通りです。
しかしながら、現実には「全身無地しか使わない」か、逆に「全身柄しか使わない」の両極端な方が多い傾向にあります。
「柄を全く使わない」か、もしくは「柄を使いすぎている」のどちらかなんですよね。
そこで、改めてどういうファッションが普通の大人向きなのかを考えてみると、答えは簡単です。
私がおすすめするのは、「無地と柄を組み合わせたコーディネート」です。
無地と柄の組み合わせがコーディネートを簡単にしてくれます。
だからこそ、全身無地ばかりではなく柄を1つでも取り入れたほうがコーディネートが簡単になるので、普通の大人がファッションの難易度を下げたいのであれば積極的に柄アイテムも取り入れるべきなんです。(ちなみに、このことはカジュアルだけではなくスーツスタイルにおいても同様です)
効果的な柄使い
効果的な柄アイテムの取り入れ方の1つとして、「ボトムスに柄を取り入れる」というものがあります。
理由は、上半身に柄を持ってくる人は多くても、ボトムスに柄を使う人は圧倒的に少ないからです。
実際に柄のTシャツやシャツを取り入れる人は数多くいますが、ボトムスに柄を使っている人はほとんど見かけませんよね?
これを考慮すると、まずはボトムスで柄のアイテムを探してみるのが、これまで柄モノに馴染みが無かった人にもおすすめの方法です。
もう1つ例を挙げるなら、「コートなどのアウターに柄を使う」のも有効です。
たまに、「アウターなどの大きな面積のアイテムには柄はうるさくなりすぎるので無地が良い」といった意見をされている方も見かけます。
ですが、私はこのことについて懐疑的です。
確かに柄によってはそういうものもあるでしょう。
だけど最近のコートはどんどんビッグシルエット化してきています。
ビッグシルエットを謳っていない普通のコートでも以前と比較して丈や幅などが長くなってきています。
それらのアイテムは、面積が大きすぎるゆえに無地だと間延びした印象になりがちです。
そこを柄を使うことによってコーディネートにまとまりが生まれるので、むしろ最近の傾向を考えると積極的に柄を試すべきだと認識しています。
普通の大人だからこそ柄アイテムをもっと活用しよう
もしかしたら、無地ばかりを推奨している指南本を読まれていた方にとっては、戸惑う内容だったかもしれません。
しかし、ファッションにおける思い込みは、その人のファッションの幅を狭めてしまい、コーディネートを難しくしてしまう原因となります。
柄の取り入れ方によっては難しく感じることも理解できますが、かといって柄を恐れて全く使わないのも難易度を上げてしまう結果となります。
やはり、一部の指南本のように極端な意見というのはセンセーショナルな内容に感じるので、多くの人の目に新鮮に映り、まるで正しいもののように錯覚するのだと思います。(余談ですが、この手法はよく他の分野でも意図的に用いられます。プロパガンダでは有効な戦略です)
それでも、普通の大人にとって洗練されたファッションというものを考えると、本当に大切なことは何かが自ずと見えてくるはずです。
今回の提案で柄アイテムの良さも感じていただければ幸いです。
そして、もっと多くの方に無地だけでなく柄も楽しんで欲しいと願っています。
そのためにも、普通の大人にとって再現しやすく洗練されたアイテムやコーディネートをこれからも提案していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね!