こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
ファッションで輸入品の「海外アイテム」ってありますよね。
人気ブランドのものであれば、毎年のように様々なショップで展開されています。
そんな海外アイテムで時折見かけるのは「日本での販売では仕様が異なるもの」です。
こうした日本仕様のアイテムについて、「なぜ本国の仕様のまま販売されないのだろう?」と疑問に感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
目次
日本仕様のアイテムがあるのは「ローカライズ」の必要性があるから
国内市場で人気を博している日本独自仕様のアイテムについて、「海外で人気があるわけでは無いから」という理由で評価しない方も一定数います。
しかし、その意見の重要性が高くないことは、よく考えてみれば分かることです。
おしゃれな着こなしとは「TPOに合わせて変化するもの」なので、海外と国内では異なってくるのは当然の結果だと言えます。
そういった視点で捉えると、日本仕様のアイテムというのは、もしかしたら海外アイテムをそのまま取り入れずに「日本でのローカライズをしたほうがより良いアイテム」なのかもしれませんよね。
過去を振り返ってみると、日本市場でのローカライズを怠ったことで、撤退を余儀なくされた企業は数多くありますから。
そうした意味では、「海外では人気のアイテム」も日本でのローカライズが必要な可能性があります。
したがって、「このアイテムは日本では仕様が異なるからダメ」「このアイテムは日本でしか人気がないからダメ」なんて意見は真に受ける必要性がないんですよね。
それでは単なる欧米コンプレックス・海外コンプレックスの話になってしまいます。
日本仕様でローカライズされる様々な理由
海外アイテムのローカライズと言っても、それが行われる理由は様々です。
海外アイテムで日本仕様が異なるのには、いったいどんな理由があるのか、主だった内容をいくつかご紹介します。
体型的理由
日本仕様ローカライズにおける最も多い理由は「体型」かもしれません。
やはり外国人と日本人では体型が異なりますし、当然、似合ってくるサイズ感等も異なってきます。
実際、セレクトショップなどが日本に海外アイテムを導入する時、日本人に合うように仕様変更を頼みますよね。(いわゆる「日本別注」というものになります)
気候等的理由
海外と国内では「気候」も異なります。
日本には四季がありますが、特に「夏場のアイテム」はヨーロッパなどの海外アイテムとの違いが分かりやすいですね。
日本の夏は高温多湿ですし、カラッとした気候のヨーロッパ向きのアイテムをそのまま日本に取り入れるのは困難なことがあります。
社会潮流的理由
ファッション業界の方でもなかなか予測しにくいのは「社会潮流」ですね。
その国独自で「社会的・文化的・経済的な違い」などが生まれ、それが国内に与える影響によって、ファッションへの捉え方にも変化が出てきます。
ファッションにおける「おしゃれ」や「センス」というのは「社会潮流とのマッチ」も含まれますので、「今日的な着こなし」というのも着眼点の1つだと私には思えてなりません。
販売戦略的理由
海外アイテムを輸入し販売する代理店として「販売戦略」が理由となることもあります。
例えば長年使える「定番アイテム」などは、その特性上「買い替え需要」が起こりにくく、その対策として行われる事の1つが仕様変更です。
こうした行為について批判する方も一定数いらっしゃいますけれども、どの企業もボランティアではなく営利目的ですから、当然のことだと理解する必要があるのではないでしょうか。
ちなみに日本側からではなく、海外ブランド側から「日本版のローカライズをして欲しい」といった依頼が代理店のほうにあるケースも実はあります。
日本的ローカライズされたアイテムを楽しもう!
日本仕様アイテムについては、その実態が理解できずに語られ批判されることもありますが、その多くが日本人向けに作られた親しみやすいアイテムです。
もちろん海外アイテムをそのまま着るのも楽しみ方の1つであることに変わりありません。
ですが、最初から「日本仕様は興味ない」と決めつけるのも、とてももったいない事です。
広い視野・異なった視点から物事を捉えてみると、本質的な良さが理解でき、自身の生活を豊かにする手助けしてくれるのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてみてくださいね!