カジュアルファッション

ヤコブコーエン622モデル購入レビュー!選び方と購入時の注意点も紹介!

2018年12月1日

こんにちは。

ファッションアナリストの七理悠介です。

 

最近ジーンズを新調しようと考え、ショップ巡りを続けていました。

AG(エージー)・PT05(ピーティーゼロチンクエ)・ENTRE AMIS(アントレ アミ)など、かなりの数を試着し候補もたくさんあって迷いに迷ったのですが、納得できるものが見つかってようやく決まり購入しました。

今回購入したのは以前おすすめジーンズブランドの記事でも紹介しましたイタリアのJACOB COHEN(ヤコブ コーエン)です。

ユニクロからヤコブ コーエンまでジーンズおすすめブランド・ショップ紹介!

世の中がもうすぐセールの時期だと意識しある意味「待ち」の状態になっていたからでしょうか、混雑していない選びやすい環境でのバーニーズニューヨークにて購入しました。

購入したヤコブ コーエンのレビューと、選び方と購入時の注意点もご紹介します。

 

定番のヤコブ コーエン622モデル

ヤコブにもいくつかのモデルがありますが、それらのモデルの中でもさらに細かくラインナップが分かれているので、ここを決めるだけでもかなり迷うと思います。

私は定番の622モデルの中でも職人が加工にこだわったヴィンテージウォッシュのものを選びました。

 

きれいなテーパードシルエット

ブランド側は「タイトストレート」と銘打っていますが、見た目は他ブランドのテーパードフィットと同程度です。

そのため、スッキリとしたシルエットが好みの方におすすめできます。

若い方向けのブランドのテーパードシルエットはとにかく全体的に細いものも多くあり、これが大人っぽく見えない原因にもなってしまいます。

その点、ヤコブの場合は適度なゆとりを持たせた上で絞る所は絞るといった各寸法が絶妙で、大人の色気を出せるサイズ感です。

「テーラードジャケットに合わせるジーンズ」というコンセプトの通り、履くだけで体型補正され大人なシルエットが構築できるまさにテーラードジーンズと呼ぶにふさわしいアイテムですね。

 

どのモデルが良いかは人によって違うので注意

ヒップラインの美しさも622の特徴で、後ろ姿を優雅に見せてくれます。

 

よくヤコブの説明で「股上の浅い622に対して、股上の深い688のほうがテーラードジャケットに合わせやすい。初めてのヤコブは688が良い」などと紹介されていることもありますが、私はこのことについて疑問です。

何故なら、その方の体型によって似合う服は変わってくるからです。

もっと言えばファッションは、その方の顔立ち・年齢・ヘアスタイル・雰囲気等たくさんの総合的な要素によって似合うものが変わってきます。

だからこそ当たり前のことなのですが、昨今たくさんあるファッション指南本・指南サイトのコーディネートは、どれも万人に合うなんてはずがありません。(もちろん、ボリュームゾーンの方に対して・一般的な意見としては価値があるものですのでそういったものが悪いと主張しているわけではありません)

なので私は個人的には622が好きですが、かと言って688がダメなわけでもありません。

 

どちらのモデルがどういった人に合うかについて解説している方も多くいます。

参考にはなると思いますが、これについても一概に言えないので全てを鵜呑みにしないほうが良いでしょう。

同じモデルでもシルエット・サイズ感は異なってきます。

実際に私はヤコブだけでも数多く試着しましたが、同じ622でもサイズ感は違うことを経験していますので、やはり試着は必須だと考えてくださいね。

 

見た目だけでなく履き心地も格別

普通のスキニーだと見た目の代償に履き心地が悪くなってしまうものが多いのですが、ヤコブの場合は違います。

ストレッチが入っているのはもちろんなのですが、前述の通り各箇所に適度なゆとりがありタイト一辺倒ではないため履き心地が失われていません。

スキニーの細さと履き心地はトレードオフだと諦めていた方にはぜひ一度試してもらいたいです、きっとその概念が覆ると思います。

スキニーにありがちな締めつけ感が少ないため、長い時間履いていても窮屈に感じないのは流石ヤコブのノウハウの結晶です。

 

極上の生地は実は日本製であることも多い

ヤコブのジーンズは見た目・履き心地に大きく関わってくる生地のセレクトにもこだわっています。

ヤコブに詳しい人には知られていることですが、ヤコブのジーンズ生地は日本の岡山県にある倉敷市児島で生産されているものを採用していることも多いです。

世界的にも有名な岡山デニムのクオリティの高さが窺えますね。

一度日本からイタリアに送って、その後また日本に送られて販売されているので輸送費だけでもかなりコストがかかっています。

 

世界中の生地の中から極上のものだけを集めて作るというのはヤコブのジーンズにもタグとしてつけられています。

 

ヴィンテージ加工は全て職人の手作業

ヴィンテージモデルは基本的な作り自体は通常のモデルと同じですが、職人によるヴィンテージ加工が手作業で施されています。

巷によくあるヴィンテージ加工だと、ジーンズのヒゲが不自然な違和感のあるものが多いのですが、ヤコブのヴィンテージ加工は本当に長年履き込んだかのような自然なものです。

この手作業による加工が非常に手間がかかるため、通常のモデルに比べてヴィンテージモデルは価格が高くなります。

ヴィンテージ加工がされていないリーズナブルなモデルを選んで自分自身で育てていくのも面白いですので、まずはそちらからチャレンジしてみるのも楽しいと思います。

 

ヤコブのリジッドデニムはリジッドデニムではない!?

ヤコブにもリジッドデニムのモデルは販売されていますが、デニムに詳しい方からはリジッドではないと言われることも多いです。

というのも、ヤコブ側はリジッドと呼んでいるものでも、いわゆる生デニムではないこともあるからです。

一般的にはリジッドと聞くと製造時の糊がついたままの生デニムを想像すると思いますが、ヤコブのリジッドデニムには一度洗いをかけているとしか思えないようなものもあります。

このことについて様々なショップの方に聞いてみましたが、やはり皆さん同様のことを思っているようで、中にはヤコブのリジッドは認めないと言っている方もいました。

私はアイテムそのものが素敵であれば気にしないタイプなので、ヤコブのリジッドデニムも好きです。

 

ディテールにもこだわりが詰まっている

ヤコブのジーンズはディテールにもブランドのこだわりが詰まっており、それぞれのアイテムに華があります。

パッと見ただけでは分からないジーンズの内側にブランドの理念や考え、想いが存分に込められています。

ジーンズのポケットに使われている生地にもデザインがあるのもヤコブらしさの1つで、これはアイテムによってデザインが異なります。

 

少し脱線しますが、ジーンズの内側にシールを貼って販売するのを私は好きではありません。(これはヤコブに限った話ではないですが)

このシールを剥がすとベタつきが残るので、ジーンズメーカー各社に止めてほしいとずっと願っています。

 

ボタンフライの裏にはヤコブを語る上で有名なセリフも刺繍されています。

「Go to bed with a dream Wake up with a purpose」

意味は「夢と共に眠りにつき、目的と共に目覚めよ」です。

 

今回購入品は、イタリア本国でも人気の高い赤をディテールに盛り込んでいるのが特徴です。

パッチは通常のレザーパッチではなく高級なハラコパッチが使われています。

安易に差し色に赤などを使うのは個人的には子供っぽく感じて苦手なのですが、ヤコブの赤の表現には品があります。

赤の使い方がいやらしくなりすぎない上品で情熱的な印象を与えるので、イタリアらしい艶を感じさせてくれます。

 

トラウザーパンツのようなベルトピンループ

ヤコブに限らずプレミアムデニムブランドによく見られるディテールが、まるでトラウザーパンツのようなピンループがついていることです。

これによりベルトを通した際にも安定感があるというのは、いかにもテーラードジーンズらしいディテールです。

 

香りだけでヤコブと分かるフレグランス

ヤコブのジーンズには製造時に全てパチョリというハーブのフレグランスによって香り付けされています。

これによって近くにヤコブが置いてあるだけで判別できます。

嗅覚に訴求するブランディングってなかなか面白いですよね。

 

付属品はモデルにより異なる

ヤコブのジーンズを購入すると様々な付属品がついてきます。

チーフ・仕上げ糸の他にモデルによっては前述のフレグランスが付属品に含まれるものもあります。

この付属品としてついてくる仕上げ糸は使用しないほうが良いと思います。

というのも、付属品の糸はとても繊細なため切れやすく、ショップでも使わないで仕上げを勧めている場合も多いです。

 

モデルによっては裾上げの仕上げ方法に注意

ジーンズの裾上げはされたことある方も多いと思いますが、このオーダー時にも注意が必要です。

リジッドなどの未加工のデニムであれば通常のたたき仕上げなどでも良いのですが、ヴィンテージモデルなどの加工デニムでそれをやってしまうと裾だけ加工が無くなってしまい強烈な違和感が出てしまいます。

これを防ぐためにも、加工デニムには挟み上げ(挟み込み仕上げ)で裾上げをオーダーしてください。

元々の裾を一度解いてそのまま貼り付けて縫う仕上げのため、手間がかかりますが見た目の変化もなくおすすめです。

せっかく職人が加工を施して素敵にしてくれているのですからムダにはしたくないですよね。

挟み上げの料金はお店によって異なりますが、だいたい2000〜3000円程度です。

私も今回はヴィンテージモデルを購入したので挟み上げで仕上げました。

挟み上げによって裾がジーンズの加工と一体感が出て違和感なく仕上がっています。

 

ヤコブの主なモデルの違い・型番の見方

ヤコブを検討している方はぜひ主なモデルの違いや見分け方を頭に入れておくと良いでしょう。

J688やPW622などといった記載がされてあり、アルファベットと数字の組み合わせで見分けます。

 

アルファベットはモデルを表しています。

  • J:ヤコブのスタンダードモデルのことです。様々な刺繍や装飾が施されております。
  • PW:Previewの略で刺繍や装飾・付属品を減らしたモデルのことです。使用している生地やシルエットにスタンダードモデルとの違いはありません。

 

数字はシルエットを表しています。主なシルエットは以下のものです。

  • 688:ヤコブの代表的なモデルでテーパードシルエットです。622に比べて若干股上が深いのが特徴。
  • 622:もう1つのヤコブの代表的なモデルでさらにテーパードが効いており他ブランドでのスキニーに相当します。688に比べて若干股上が浅いのが特徴。
  • 696:622よりも更にタイトなスキニーシルエットです。私の知る限り全てのモデルでストレッチがかなり効いているので締めつけ感は少ないです。

 

ヤコブがリリースしているアイテムは多いので、自分はどのタイプのモデルやシルエットが好みなのかを意識しながらお気に入りの一本を探してみてくださいね。

 

どこで購入できるのか?

ヤコブのジーンズはセレクトショップで販売されています。

時期によっては置いていないショップもありますが、安定して販売しているのはバーニーズニューヨークとビームスです。(最近はエストネーションでも置いてあることも多いです)

私がこれまで見てきた感じだと、サイズ展開は少ないがモデル数が多い傾向にあるのがバーニーズで、サイズ展開は多いがモデル数が少ない傾向にあるのがビームスです。

 

バーニーズでは29や30からのサイズ展開が多く、普段28を着用されている方には選択肢が少ないです。

しかし反面、622・688などの通常モデルに加えてヴィンテージモデルや珍しいモデルの取り扱いも多いのが利点ですので、他であまり見ないモデルが欲しい方におすすめのショップです。

注意してほしいのは、バーニーズのオンラインストアのラインナップは店舗のラインナップに比べて少ないということです。

このことを不思議に思っていて以前ショップの方にも確認しましたがやはり事実で、あえてそうしているとのことです。

しかも全てのラインナップが店頭に置かれていない場合もあるため、お探しの方は店員さんに聞いてバックヤードから出してもらうと良いでしょう。

 

ビームスでは多くのモデルで最小の28からのサイズ展開となっており、普段28を着用されている方にも選択肢が多いです。

こちらは反面、688モデルが中心のラインナップとなっており622モデルが欲しい方には探すのが難しいので、688の小さいサイズを探していている方におすすめのショップです。(実際に今季は一部696モデルがあるだけで622モデルは取り扱いがありません)

 

ビームスでのサイズ展開が28からということについて、元ビームス出身のバーニーズの店員さんが言うには「ビームスのクリエイティブディレクター中村達也さんが42(XSサイズのこと)を着用することが多いので、その関係で小さいサイズから取り扱いがある」ということらしいです。

自身の体型や好みに合ったヤコブを探すために、まずはこの2つのショップを見てみることをおすすめします。

 

ヤコブ コーエンは価格はそれなりにするが満足感も非常に高いジーンズ

現在はAG(エージー)・PT05(ピーティーゼロチンクエ)・ENTRE AMIS(アントレ アミ)・RED CARD(レッドカード)など本当に数多くのプレミアムデニムブランドがあります。

どれも素敵なアイテムをリリースしているブランドの中、ヤコブ コーエンはトップクラスのクオリティを誇るブランドです。

一度その熱量に触れていただき新しい価値観を発見してもらいたいです。

価格もプレミアムなため気軽に購入しにくいものだというのも理解していますが、コーディネートの難易度を圧倒的に簡単にしてくれ大人のスタイルに格上げしてくれる信頼感の強いブランドなのは間違いありません。

何が他のブランドと違うのか、まずは試着だけでもしてみてください。

 

ぜひ参考にしてみてくださいね!

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