こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
肌寒い時期になってくると、体温調節が難しいですよね。
トップスにシャツやニットだけだと、日中の暖かい時間帯は良くても、早朝や日没後は寒い。
かといって、本格的なダウンジャケットを着てしまうと、過剰すぎて暑いし、季節感が無くなってしまいます。
そんな微妙な気候の時期に活躍するアイテムが「インナーダウン」です。
真冬に使うようなダウンジャケットは持っている方も多いですが、インナーダウンを活用している方はまだまだ多くいません。
とても便利なアイテムなので、大人におすすめのインナーダウンをご紹介します。
目次
TAION / インナーダウン
私が愛用しているアイテムは、「TAION(タイオン)」の「インナーダウン」です。
ハイクオリティでありながら、「リーズナブル」というのも嬉しいポイント。
タイオンはインナーダウン専業ブランドであり、ブランド名は「体温」からきています。
クオリティの高さから、様々なブランドのコートのインナーとして採用されるようにもなった新進気鋭のブランドです。
ブランド開始当初は「知る人ぞ知る存在」だったんですけれども、各種セレクトショップでも取り扱われるようになりましたね。
シックなパッケージで販売されています。
インナーダウンなので、とても軽く、厚みもないため、付属の「収納袋」に入れて持ち運ぶことができるのも便利です。
そのため、「寒くなってきたな」と感じれば羽織れば良いし、「暑くなってきたな」と感じれば気軽に脱げるのが魅力ですね。
インナーダウンらしいタイトなシルエット
タイオンのインナーダウンは、ダウンジャケットにしては比較的「タイトなシルエット」になります。
インナー用途として作られているので、アウターを上に羽織ったとしても邪魔にならないような設計ですね。
袖の部分もコンパクトなサイズ感。
アウターに干渉しにくいよう「細め」になっています。
生地が薄手なこともあって、あまりゆとりのないサイズ感のコートにも、インナーとして問題なく使用可能です。
キルティングが正方形に近くてモダンなデザイン
とても「モダンなデザイン」だと感じさせるのは、「キルティングが正方形に近い」というのが大きな理由なのではないでしょうか。
一般的なダウンジャケットのキルティングは、「ひし形」などが多いですけれども、「正方形」であることによってモダンな雰囲気を感じさせます。
デザイン性だけでなく、機能性も良く、ポケットが外側にも内側にもあるのが便利です。
機能性は他にもあり、「手洗いで洗濯可」というのもデイリーユースでは便利ですね。
「薄手の生地」「そこそこの暖かさ」だからこそ使いやすい
タイオンのインナーダウンの中わたは「ダウンとフェザーの混合」です。
ダウンの性能は「650フィルパワー以上」と申し分なし。
とはいえ、よく勘違いされている方がいるんですが、そもそも「フィルパワー」とは「ダウンを着た時の暖かさ」を表すものではありません。
「フィルパワー」は「羽毛1オンスあたりの”ふくらみ度合い”」を表しています。
したがって、「”高いフィルパワーだが薄手のダウン”よりも、”低いフィルパワーだが厚手のダウン”のほうが暖かい」ということもザラにあるんですよね。
つまり、「ダウンを着た時の暖かさ」は、「ダウンのフィルパワー」「ダウンのボリューム」両方によって決まるため、「フィルパワーが高いダウンは暖かい」とは一概に言えません。
タイオンのインナーダウンを見てみると、「薄手の生地」です。
それゆえ、暖かさはそんなに高くなく、「そこそこの暖かさ」になります。
しかし、だからこそ良いんです。
暖かすぎるダウンだと、インナーとして着用したら暑くなりすぎて、使いにくくなってしまいます。
このアイテムは、あくまで「インナーダウン」なので、用途を考えると、これが正解なのではないでしょうか。
たまに、「タイオンのダウンはペラペラな生地だし、あまり暖かくないから良くない」といった意見をされている方がいますけれども、それは用途を勘違いされているのだと思います。
「軽くて、そこそこ暖かい」ことによって、「重ね着する際、体温の調節しやすさ」を発揮しているのがこのアイテムです。
そもそも、フィルパワーにしても「オーバースペック(過剰性能)」を一部の方が求め過ぎな傾向にあるように感じます。
あまりにもオーバースペックなダウンなど、リアルクローズとして疑問です。
タウンユースするにあたって、オーバースペックなんて必要ないと私には思えてなりません。
「日常の市街地を車で走るのに、F1の性能が必要か」を考えてみると、必ずしもハイスペックが良いとは限らないですよね。
ダウンも同じで、極寒の雪山に行くわけでもないのに、過剰なハイスペックが必要なわけがありません。
どんなアイテムでも、「何を想定とした着こなしなのか」を考えることが大切です。
その点、タイオンのインナーダウンはオーバースペックではありませんし、そこにタウンユースへのリアルさがあります。
「ダウンジャケット1枚を着ただけで暖かい」を求めるのであれば、それはインナーダウンではなく「本格的なダウンジャケット」を着用すべきです。
着回しやすいデザインでコーディネートに大活躍
全体的に「着回しやすいシンプルなデザイン」だからこそ、様々なコーディネートに活用できます。
インナーダウンとして作られてはいますが、アウターとしても着用可能。
薄手でコンパクトな作りなので、ダウンジャケットにありがちな「着ぶくれ感」はありません。
「コットンニット」などの「ウールに比べたら暖かさはイマイチ」といったアイテムでも、インナーダウンをレイヤードすれば活躍時期が大幅に伸びます。
気候的に寒さが増してきたら、コートのインナーとして着用。
春秋用の薄手のコートであっても、インナーダウンを重ね着することによって、冬場でも活用できるのが良いですね。
要するに、シルエット的な作りの面にしても、着こなし用途としても、「アウター・インナーを尊重するアイテム」であるのがインナーダウンだと私は考えます。
すなわち、「レイヤード(重ね着)」において、最大限の魅力を発揮するということです。
ちょっとエキセントリックで極端な意見になりますが、1つのアイテムで完結するのではなく、「不足があればアイテムを足す」くらいに考えたほうが、ファッション的にはおしゃれに見えやすいのでおすすめですね。
着こなしの幅が広がる便利なインナーダウン
まだまだ着こなしに取り入れている方が少ないアイテムであるインナーダウン。
一度使ってみると、その便利さ・魅力を実感してもらえると思います。
着こなしの幅が広がるアイテムなので、まだインナーダウンをお持ちでない方は、ワードローブに加えてみて欲しいです。
ぜひ参考にしてみてくださいね!