こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
今回は、このブログの根幹にある重要なテーマについて書きます。
それは、「ファッションに差別化は何故必要なのか?」についてです。
普通の大人は「地味なファッション」ではいけないのでしょうか?
目次
そもそも「差別化」とは?
「差別化」という言葉があまりにも広く一般的に使われてしまったためか、人によっては何だか陳腐化したような印象すら持っているのではないでしょうか。
かくいう私自身も、このブログ内で「差別化」というキーワードを用いてアイテムやコーディネート紹介をよくしています。
言葉そのもの自体はどういうものを使ったって別にいいんですが、この「差別化」の意図は、普通の大人にとって重要なものです。
「差別化」という言葉をさらに噛み砕くなら、「周りの人との違い」と捉えてもらえれば分かりやすいかと思います。
「地味なファッション」を主張している人は大勢いるが…
最近だと「ファッション雑誌のような、おしゃれすぎるファッションは一般的には難しい。だから大人は、とにかく地味なファッションをすればいい」といった意見をされる方が増えました。
前半部分は概ね同意できるんですけれども、その後に関しては私は反対の立場です。
というのも、普通の大人にとって「おしゃれすぎるファッション」だけでなく、「とにかく地味なだけのファッション」も難易度が高い、と認識しているからです。
多くの人が気づかない「地味なファッション」にある潜在的な問題
「地味なファッション」は一見すると何の問題もないように思えます。
ですが、よく考えてみてください。
「とにかく地味なだけ」のファッションだと、「本当に何の特徴もない印象」ということです。
それはそうですよね、何故ならその通り「地味」を選択しているのですから。
そのことは「可もなく不可もなく」、つまり「減点もないが、ファッションによる加点も一切無い」ということを意味します。
「ファッションでは加点よりも減点しないことが重要」というのは多くの方が主張しており、私もその点については同意です。
けれども、そのことを意識するだけで安心してしまうのは、見落としていることがあるため大変危険です。
経験ありませんか?「これと言って悪くはないファッションをしているのに何故か素敵に見えない人だな」と思ったことが。
誰もがそのような印象を持ったことがあるはずです。
他にも、「推奨されている通りの地味なコーディネートをそのまま真似しているのに、何故か自分が着ると似合っていない」と感じたことのある方もいるでしょう。
「地味なファッション」が、一般的な大人が本当にするべきファッションであるならば、このことをどう捉えればいいのでしょうか?
「地味なだけ」のファッションが普通の大人向きではない理由
「ファッションの力を借りられない」ということは、「それ以外の要素そのままで、その人の印象は決まってしまう」と言い換えられます。
ということは、地味なだけのファッションをしていたら、その人が本来持つルックスやスタイルによって印象が決まってしまいます。
イケメンは良い印象を与えやすいでしょうし、スタイルが良い人も好印象を抱かせやすいでしょう。
反面、そうではない人にとっては、その反対の結果となることが多くなってしまいます。
これだと結局、「その人が持つ元々の身体的特徴」次第で印象が左右されてしまうんです。
地味なだけのファッションを主張している多くの方がこのことを見落としています。
だからこそ「おしゃれすぎるファッション」は普通の大人には難易度が高いし、逆に「とにかく地味なだけのファッション」も普通の大人にとって難易度が高いと主張しているんです。
普通の大人は「どうすれば良い印象を与えられるか」を考えた場合、「差別化」は強力な味方になる
「ファッションで別に減点さえしなければいいんじゃない?」と言われているのは、おそらくルックスやスタイルが平均より上の方の意見なのではないでしょうか?
そうした「ファッションは地味でいい」と言われている方が、例として紹介しているコーディネート画像をちゃんと見てみてください。
だいたいどのコーディネート例もルックスやスタイルの良い人が着用している画像ばかりです。
特にありがちなのは、海外サイトの外国人スナップばかりを拾ってきて「ね?この着こなしで大丈夫でしょ?」としています。
そんな「一般的な普通の大人のルックスやスタイル」とは遠くかけ離れた人を使って、自分の主張を通すために意図的とも思える誤解を与えるような行為は、私はフェアだとは思えません。
何故なら、その主張を信じて本当に真似をした方が、「紹介された通りにしているのに何故自分には似合わないのだろう?」と嘆いている姿を想像するといたたまれない気持ちになるからです。
やはり「大人のファッションは地味でいい」というのは、限られた一部の人向けの内容にしか過ぎません。(それを裏付けるかのように、外国人のコーディネート例を実際に主張されているご本人が再現すると素敵に感じないケースも見かけます。明らかに矛盾が生じている状態で、自分自身で主張の誤りを証明してしまっています)
しかし、私を含む「ルックスやスタイルに自信があるわけではない普通の大人」にとっては、それでは困ってしまうことになります。
そう改めて考えると、イケメンでもない・スタイルがいいわけでもない、普通の大人だからこそ「ファッションで差別化を図る」ことが重要です。
もちろん、差別化を図る際に清潔感があることは大前提です。
このことを踏まえた上でないと、せっかくの差別化も正しく機能しない結果となります。
なげやりになってしまって「イケメン以外はファッションなんて無意味だから何を着ても無駄」なんて考え、私は好きではありません。
むしろ、「そういった人にこそファッションの力というものは存在する」と信じています。
普通の大人が差別化を図るためには?
普通の大人にとって差別化の重要性が理解できたところで、どうすればそれを効果的に行えるのでしょう?
まずはじめに心得ておくことは、「大人のファッションの差別化に一発逆転はない」ということです。
普通の大人は目立つものを安易に使わず、細部にまで気を配ったディテールの集積によって差別化を図ることが重要です。
私がおすすめする差別化の手法の1つとして、無地だけでなく柄もコーディネートに取り入れるというものがあります。
その中でも特に、ボトムスに柄を使うというのは実践している人がとても少ない方法なので、ぜひ試してみてください。
普通の大人だからこそ差別化したファッションを楽しもう!
ファッション指南をされている方のほとんどが、「ファッショニスタ向けのおしゃれすぎるもの」か「とにかく地味なファッション」の2つに分かれているように思えます。
そして、「この2択であれば仕方がない」と、これまで「ファッションは地味でいい」と言う方がとても多いように日々感じていました。
ですが、現実にはそれだけだと難しい方が大勢います。
このような背景から当ブログが主軸としたテーマは、サイトの説明文にもある通り「おしゃれすぎて敬遠されることも、地味すぎて気づかれないこともない、普通の大人が取り入れることのできる”再現性のあるファッション”を提案します」となっているんです。
ここには、「”差別化”という言葉では正しく意図が伝わらないかもしれない」といった考えから「地味すぎて気づかれない」という言葉に変換した意図があります。
当ブログは、抜群におしゃれなファッショニスタを目指す方には不足な内容が多いので、そういった方が見ると非常に退屈でつまらないものに映るはずです。
また、逆にとにかく地味なファッションがお好みの方に対しても、ベーシックを基本としながら人との違いを考えたアイテムやコーディネート紹介が多いので、差別化なんて要らないというニーズには応えられない内容かもしれません。
世の中にファッションについて紹介しているサイトやブログは数多くあり、どれも私の拙い文章よりも分かりやすく伝わるものばかりかもしれませんが、求めているファッションがそのどちらとも違う方にとって寄り添うような存在でありたいと願っています。
そのために、これからも様々なことを私は提案していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね!