ビジネスカジュアル

ビジネスシーンに寄り添った再現性のあるクールビズとは?【シャツ・ネクタイ編】

2018年9月10日

こんにちは。

ファッションアナリストの七理悠介です。

 

クールビズがまもなく終わりそうなこの時期に、「クールビズ」についてご紹介します。

季節感を先取りが当たり前のファッションの世界で、逆行しておりすみません。

ですが、このテーマは当ブログを立ち上げることになったキッカケの1つだったので、早いうちに取り上げたかったんです。

 

クールビズを取り巻く現状

クールビズって、どうやって取り入れていますか?

街にいるサラリーマンを見ても、多くの方が半袖シャツを着ています。

いたって当然ですよね。

日本の夏は高温多湿ですし、少しでも暑さを和らげるための選択ですので自然なことです。

 

しかし、ファッション業界の人達はそれを怒ります。

「半袖シャツはダサいからダメだ!」といった具合に、どこを見ても主張をしています。

 

その他にも、ファッション業界の人達のクールビズコーディネート事例や意見を見てみると、以下のようなものが多いです。

  • トラウザーズをアンクル丈で仕上げて、靴下はフットカバーを履いてオシャレをアピール。
  • 派手で目立つアイテムや柄を使って自分を主張。
  • 暑さなんて関係ない!まわりがだらしなくなるからこそ、私はキッチリと普段通りのスーツスタイル。

どうでしょう?よく見るケースばかりですよね。

ですが、これを真に受けて外に出てしまうと大変なことになります。

  • アンクル丈のトラウザーズ → 「どうしたの?裾上げ間違ってるよね?」
  • フットカバー → 「寝ぼけて家出たの?靴下履き忘れてきてるけど?」
  • ド派手な柄やアイテム → 「仕事着にはふさわしくないのが分からない人なのかな?」
  • 私は紳士らしく普段通りのスーツ → 「滝汗で見ていて暑苦しいし、清潔感がない」

とマイナスな印象になるだけです。

そもそも提案している人達は、その格好をしてビジネスシーンで働くことを全く考慮していないですよね。

 

このように現状世の中に溢れているクールビズにおける提案が、「現実的なビジネスシーンに寄り添えていないものばかり」と感じていました。

我々はその服を着て仕事をしないといけないんです。

この問題に対し、具体的な意見を出して解決までしている方もおらず、サイトも見つからなかったので僭越ながら私から提案をしたいと思います。

 

現実的に再現可能なクールビズファッションを素敵に見せることは出来ないのでしょうか?

いいえ、そんなことはないので諦めることはありません。

現実に寄り添いつつ、一般の人から見て共通の感覚を持ち合わせたクールビズファッションを素敵に見せるには、いくつかポイントがあります。

それぞれのアイテム毎にご紹介していきます。

 

シャツ

まず印象を大きく左右する上半身に位置する「シャツ」です。

 

袖丈・袖周り

長袖シャツを袖まくりして着て仕事を出来る業種の方は、ファッション業界の人達からの主張通り、袖まくりして夏を過ごすことで良いと思います。

 

問題はそれが出来なくて、現実的な選択肢として半袖シャツを着るしかない方です。

色んな人達が口を揃えてダサいと言っていますが、たしかに街を歩いているサラリーマンの半袖シャツ姿は素敵には見えません。

 

ですが、これを洗練されたスタイルに見せる方法があります。

大前提として「襟の裏に柄があったり、変なステッチがたくさん入っている柄シャツだったりを選ばない」のは基本です。

その上で、体にあったサイズ感・シルエットのものを選ぶのはもちろん重要ですけれども、大事なポイントは「袖」にあります。

シンプルなデザインのシャツをお店で選んで着ているのに、何だか垢抜けて見えない人は、だいたい「シャツの袖の長さが長過ぎで、袖周りも合っていない」です。

この画像のようにシャツを着ている人がとても多いと思います。

具体的には肘の付近まで長さがあるシャツだと、それこそ「シャツが途中でバッサリと切られて足りていない」印象になります。

量販店だけでなくセレクトショップを含め、様々なお店で売られている半袖シャツも、調整したほうがいいものがほとんどです。

 

よく「クールビズではノーネクタイの場合が多いと思うので、第一ボタンが閉まらなくても問題ないでしょう。だから第一ボタンが閉められなくても構わないため、もっと下のサイズを着用することでオシャレに見えます」と主張している方もいますが、私はおすすめしません。

元々、無理しないと着られなかったくらいタイト過ぎるシャツだと、「身動きが取りづらくなって仕事をしにくくなりますし、それだけ苦労するサイズを着用しても、袖が長い・太い問題は解決しない」からです。

 

具体的な「袖丈の長さ」の目安として、普段着ている「Tシャツのサイズ」を指標にしてみると分かりやすいのではないでしょうか。

 

Sサイズの方 → 19〜20センチ前後

Mサイズの方 → 20〜21センチ前後

Lサイズの方 → 21〜22センチ前後

XLサイズの方 → 22〜23センチ前後

 

あくまで目安の数値ですので、体型によって微調整が必要ですが、だいたいの方に当てはまると思います。

逆にこれ以上短くすると、今度は「袖丈が足りてない印象」になりバランス悪くなるので注意です。

お店でお直ししてもらう際は、「袖に向かって細くなるようにお直ししてください」と注文することをおすすめします。

 

「袖周りの太さ」は人によってかなり数値が変わるので、上記に挙げた袖丈の部分の腕周りにピッタリと合うように、お店で店員さんに測ってもらうのが良いと感じます。

このことを覚えておくだけで、これまで着ていたシャツから、劇的にスタイル良く見えることが実感できるはずです。

 

袖口の折返し

そしてもう1つ、袖が見た目に与える印象でポイントとなるのは「袖口の折り返し」です。

同じ袖丈・袖口幅のシャツでも、「折り返しがあるのとないのとでは、かなり印象が変わり、垢抜けて見える」ので、ぜひ折り返し仕様にしてみることをおすすめします。

 

シャツは「オーダーメイド」も効果的

シャツを体型に合わせて全てお直しを実施すると、そこそこの金額になるかと思います。

同じくらい金額を払うのであれば、最初から「オーダーメイド」をすることも、選択肢として考えてみてはどうでしょうか。

オーダーで作る時に、長袖と半袖の料金が変わらなくて、生地代の分だけ割高に感じるかもしれません。

ですが、むしろ通常の長袖シャツよりも、半袖シャツを作るほうが、はるかに満足度が高い結果になることを私自身も経験しています。

 

シャツの色

次に「シャツの色」についてです。

 

白の無地シャツでも良いですが、それ以上におすすめなのが「淡いブルー無地のシャツ」です。

 

 

白シャツよりもブルー系のほうをおすすめする理由は、「夏に爽やかで合う」ということだけではありません。

1番の理由は、「日本人の肌の色に合う」からです。

西洋人の肌は白くピンクがかっていますが、日本人はモンゴロイドが「黄色人種」と訳される通り、肌が黄味がかっています。

「黄色に白」よりも、「黄色にブルー」のほうが、「色合わせ的に良く、見た目の引き締め効果」があるのがポイントです。

 

柄シャツが許されないような「お堅い業種」の方でも使える「万人が使えるシャツ」ということも再現性が高くて良いですね。

ちなみにクールビズだけでなく、通常のスーツでも「ブルー系のシャツ」は日本人には合わせやすいのでおすすめです。

 

柄使い・クレリックも有効

無地のブルー以外にも仕事で柄シャツが許される環境であれば、「ブルー系の細かいチェックシャツ」もおすすめです。

もちろん同じく「ブルー系の細かいストライプ」も良いのですが、半袖シャツということに限って言うと、「チェックシャツ」の方がバランスが良いと感じます。

ストライプを選ぶ場合は、「遠目には無地に見えるくらい細いストライプ」が使いやすいです。

 

さらに爽やかを出したい場合には、「クレリックシャツ」にしてみても良いですね。

クレリックシャツだと無地も良いですけれども、「柄」があると更に相性が良いのでおすすめです。

特に、「ブルー系の細かいチェックシャツのクレリック仕様」は相性抜群なので試してみてほしいです。

 

襟型

「襟型」は仕事でノーネクタイの方は「ボタンダウンカラー」「カッタウェイカラー」「ホリゾンタルカラー」がおすすめです。

ネクタイを着用する方はボタンダウンカラーは避けたほうが良いので、「カッタウェイカラー」「ワイドカラー」をおすすめします。

ただし、襟型に関しては時代によって流行もあるため、定期的にシャツを購入する際に店員さんに確認してみると良いのではないでしょうか。

 

ビジネスシーンでは、ノーネクタイでも「第2ボタンまで開ける」のはやめたほうが良いと感じます。

やっている本人としては「イタリアの伊達男」的な考えで、色気を出しているつもりなのでしょうが、一般的に印象がマイナスに働くことはあっても、プラスに働くことはないはずです。

ちなみにカジュアルであれば、本人のキャラにもよるんですけれども、第2ボタンまで開けて「リラックス感」を出すのは、大人っぽくて効果的な着こなしになります。

 

ネクタイ

クールビズで着用点数が少ない中で、最もその人の個性を出せる箇所が「ネクタイ」です。

 

ニットタイが有効

ネクタイ以外の箇所で個性を出そうとしすぎるのは、それは「ビジネスシーン」という場には、ふさわしくないファッションになってしまうため控えるべきです。

少なくともビジネスにおけるファッションでは、オシャレばかりを目指している人は、印象がプラスよりもむしろマイナスに働きます。

そのため、「皆からの共通理解を得た身だしなみに整える」のが本来の目的、ということを見失わないことが重要ですよね。

 

最もおすすめのネクタイは「ニットタイ」です。

全身クールビズになってドレスダウンしているのに、通常のネクタイだと「素材感」が浮いて見えてしまい、「ジャケットを着ていない」ということを強調するため変に感じてしまいます。

これがクールビズにおいて、「ネクタイが原因で素敵に見えなく感じる」最大の理由です。

 

ニットタイに慣れていない場合には、通常のネクタイと同様に「剣先が三角」になっているニットタイを選ぶだけでも、相当着こなしのハードルは下がります。

もしそれでもニットタイが業種的に難しい場合だったとしても、効果的な解決策があります。

それは、「光沢感のないザックリ感のある素材で作られたネクタイ」を選んで、軽装であるクールビズに馴染ませる方法です。

 

ネクタイの色

色は「ネイビー」が季節感も出しやすく良いと感じます。

少し青みがあっても素敵ですが、ここで注意すべきは「色味が薄く明るめのものを選ばない」ことです。

上からジャケットを着用しないため、「コントラストがつきにくく、ネクタイまで明るめのものを合わせると、ぼやけた印象」になってしまいます。

逆に言うと、業種的にポロシャツが許されている場合は、ネイビー等の濃い色のポロシャツを選んで、ネクタイは少し明るめのものを取り入れてみても良いですね。

 

「Vゾーン」が与える印象は、ビジネスファッションで最も大きいので、気を抜かないようにしたいものです。

全身の着用点数が少ないクールビズだからこそ、スーツスタイル以上に細かく「素材感・色味」を組み立てないと、素敵に見せることは難しくなります。

 

以上、ビジネスシーンに寄り添った再現性のあるクールビズ【シャツ・ネクタイ編】をご紹介しました。

その他のアイテムについても、また改めてご紹介します。

今年はもう終わりかけのクールビズ期間でのご紹介で恐縮ですが、明日(もしくは来年?)からの着こなしの役に立てば嬉しいです。

 

ぜひ参考にしてみてくださいね!

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