こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
「ベージュのチノパン」ってどんなイメージを持っていますか?
「おじさん臭い」「ダサい」といったイメージの方も少なくないのではないでしょうか?
しかし、本当はベージュチノってうまく使えば洗練された着こなしを表現しやすいものなんですよね。
そのため、コーディネートで非常に使いやすく、大人のファッションには欠かせないアイテムだと私は認識しています。
目次
実は大人のファッションに意外と相性が良いベージュチノ
そもそも、何故あまり良いイメージをベージュチノが持たれていないかを考えると、一般的に「おじさん」や「学生さん」でファッションにあまり気を配っていないような方が履いている印象が強いからではないでしょうか?
それゆえ敬遠されがちなアイテムとなってしまっているのだと思います。
こうしたことを考えると、世の中には「ベージュのチノパンはダサいし難しいから避けるべき」というような意見があるのも気持ちは理解できます。
しかしながら、それは誤解した意見です。
実はベージュチノは、他のボトムスには無い魅力を持ったとても使いやすいアイテムです。
ブルージーンズ・ブラックパンツ・ホワイトパンツなどの他のアイテムでは表現できないような、ベージュチノ特有の「柔らかい印象」「気取らない印象」を着こなしにプラスしてくれます。
だからこそ、普段着のコーディネートで「ちょっとキザっぽいかな?」とか「もう少し印象の堅さ・キツさを緩和したいな」と考えた場合にとても有効なアイテムなんですよね。
このことは、我々普通の大人にとって非常に意識するべきことであると考えています。
というのも、そういった意識を持っていないと「大人っぽいファッション」ということばかりに気を取られ「コーディネート全体の雰囲気が、休日にはバランス感を欠いた印象になりがち」だからです。(特に、ファッションを楽しみだしたばかりの方が陥りがちなように感じます)
大人っぽく見せようとテーラードジャケットやシャツを着るのは全く問題ないですけれども、それらに合わせるアイテムをよく考えないと、単に「なんかキザったらしい人でナルシストっぽいな」と印象を持たれてしまう可能性があります。
それに、「今日、この人はおしゃれを頑張ってきたんだろうな」と思われてしまうかもしれません。
いずれにしても、そうしたことは「洗練された大人」の印象からは離れたものですよね。
やはり、「ワードローブにかかっている服をサラッと羽織って出てきた」という雰囲気に見せられたらベターですし。
このため、「柔らかい雰囲気で気取った印象を与えない」ベージュチノは、普通の大人だからこそ積極的に使うべきだと私は主張したいです。
使いやすいベージュチノの選び方
ベージュチノを選ぶ際には、世間のイメージを考慮して「野暮ったく見える原因を極力省く」のが簡単かと思います。
野暮ったく見える原因は色々あるんですけれども、大きな理由としては「シルエット」です。
あまりにも太すぎるものは、どうしても難易度が高くなってしまいがちになります。
そこで、大人にとって使いやすい「テーパードシルエット」のものを選ぶのがおすすめです。
特に、レッグラインを綺麗に見せてくれるようなものはスタイルアップ効果もあるため、可能であればなるべくお金をかけてチノパン選びを行なったほうが良いと思います。
やはりこうしたアイテムは多くの方があまり気を配らずに使っている以上、細かなシルエットの違いが非常に効果的ですし。(同じことがブルージーンズにも言えます)
インコテックスあたりくらいになると、かなり美しいシルエットを構築してくれますね。
セレオリだと、ビームスが毎年使いやすい定番のものを販売しています。
とはいうものの、もしテーパードシルエットのものがあまり好きではない方であれば、緩めのシルエットでも全く構いません。
後述しますが、着こなしで他に気を配れば、太めの緩いシルエットのものでも素敵に見せられます。
最近だと、一部のおしゃれな方も緩めのシルエットのチノパンを取り入れてきていますから。
なので、テーパードシルエット以外が好みの方も着こなし次第で洗練された印象にすることは可能です。
重要なのは「自分自身が素敵に見えるかどうか」のため、ぜひそうした1本を探してみてください。
ベージュチノに合わせるトップスは「シャツ」が比較的簡単
ベージュチノの着こなし指南をされている方の中には、「ベージュチノに合わせるトップスは○○は避けて、○○を合わせるべき」という意見もありますね。
合わせるべきだというアイテムとして挙げられる項目は「デザイン」であったり、「色」であったりと様々です。
これについては私もある程度は正解だと考えています。(個人的に条件を挙げるとすれば、合わせるトップスの「素材感」はとても重要だと思います)
確かに、チノパンの上には「Tシャツよりもシャツ」を合わせてあげたほうが実際にコーディネートはまとまりやすいですね。(かくいう私自身は、チノパンにTシャツを合わせる着こなしも好きでよくしていますけれども)
ですが、Tシャツ合わせでも洗練された着こなしに見せることは可能なので、このこと自体が最大のポイントではありません。
事実、おしゃれな方はTシャツ合わせでも素敵に見せていますし。
ということはつまり、チノパンのコーディネートにおいて素敵に見えやすいかどうかの鍵は他にあるということになります。
ベージュチノの着こなしは、実は「足元」がポイント
合わせるトップスでベージュチノの難易度が決定づけられるわけではないとすれば、当然それ以外がキーアイテムです。
ベージュチノの着こなしにおいて、難易度を大きく左右する最大のポイントは「足元」にあると私は考えています。
まず、足元に位置する「靴のボリューム感」が印象を大きく変えるんですよね。
靴にボリューム感がありすぎると、途端にチノパンの野暮ったさが浮き出てきてしまいがちになります。
それを防ぐためにも、ベージュチノに合わせる靴は「ボリューム感の少ないもの」を選ぶことが重要です。
具体的には、スニーカーであれば「スリッポンシューズ」あたりが簡単だと思います。
他にも、「コンバースのスニーカー」などもボリューム感が少なくて合わせやすいですね。
足元の主張を薄めて整えてあげれば、このコーディネートなどは「テーラードジャケット」のカッチリ感をベージュチノがうまく調和してくれています。(さらにいうと、このコーデはインナーに万能アイテムの「シャンブレーシャツ」を使っているので非常にズルい合わせ方なんですが…。「困った時のシャンブレーシャツ」と個人的には呼んでいます)
そして、革靴であれば「ローファー」あたりが簡単だと思います。
革靴の場合でもボリューム感が少ないローファーであれば、チノパンとうまく調和してくれますね。
もちろん、かなりのおしゃれな方であればボリューム感がある靴でも着こなすことは充分に可能なんですが、「比較的誰でも簡単に素敵に見せやすいのは?」という視点で見ると、ボリューム感の無い靴がおすすめです。
そして、ポイントとして「靴」ではなく「足元」と表現したのには理由があります。
というのは、「足元」なので「靴」だけではなく「靴下」も実は重要だからです。
例えば、「チノパンは起毛感が無いものなのに、靴下は起毛感のあるものを履いてしまう」と、ボトムスと靴下との間でチグハグ感が生まれてしまい、何だか野暮ったく見えがちになってしまいます。(当然、逆の場合もそうです)
そうした意味から、「合わせるボトムスに対して、靴下の素材感にまで気を配る」ということが大切なんですよね。
したがって、「ファッションは足元が重要」「靴だけでなく、靴下にまで気を配れる人は本当におしゃれな人」と世の中で言われているのは、あながち間違いでもないのではないか?と私は思います。
それだけ靴下というアイテムは、全身の中では地味に見えるものかもしれませんが、ファッションにおいて重要なアイテムの1つであるわけです。(いつかまた靴下についても改めてご紹介します)
普通の大人だからこそベージュチノを積極的に使おう!
ベージュチノは多くの方が想像している以上に使いやすいアイテムなので、これまで敬遠していた方はぜひ積極的に試してみて欲しいです。
普通の大人だからこそ、このアイテム特有の魅力がきっと強く実感できると思います。
ちなみに、男性だけではなく、女性にもベージュチノは非常に有用性の高いアイテムなのでおすすめです。
ぜひ参考にしてみてくださいね!