こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
梅雨に入り、天気に恵まれない日も増えましたね。
みなさんは雨の日の足元ってどうしていますか?
雨でお気に入りの靴が濡れると考えたら、なかなか出かけるのも億劫になってしまいませんか?
今回は、普段使いはもちろん、雨の日にも気軽に履けて気分が高まる上質な靴をご紹介します。
目次
PVCのレインシューズについて
私自身これまで様々な雨用の靴を購入して試してきました。
よくそういった場面でおすすめされるのが、PVC素材(塩化ビニル樹脂)などで作られた「レインシューズ」です。
私も実際にそうしたレインシューズを履いていたことがあります。
その経験から、PVCは雨に強いというメリットがあると同時にデメリットがあるのも知りました。
まず、PVCは素材の特性上、「履いていくうちに足に馴染んでくる」といったことがほぼありません。
通常、他の靴であればその人の足にだんだんと合ってくるものですが、伸び縮みがほぼないためそれが望めないんです。
そこで、どのメーカーも「大きめのサイズ感」で作ることによって、幅広い人の足に合うようにしています。
だからこそ、もし購入するのなら普段選ぶ靴よりも小さめのサイズを購入して、インソール(中敷き)でさらにフィット感を上げるのがおすすめです。
次に、これもPVCの宿命といえるのかもしれませんが、数年経つとかなり劣化してしまうため「長く愛用できない」という特徴があります。
これまでに有名ブランドの結構な値段のするPVCレインシューズを購入したこともあったんですけど、それもやはり数年と経たずにダメになってしまいました。
具体的には、PVCなので経年劣化が進むと「素材の割れ」などが起こってしまうんですね。
PVC自体、水を通さないというメリットは素晴らしいのだけれど…。ここは割り切って使うしかないと思います。(どのブランドの店員さんも「耐久性は諦めるしかないです」と言われていました)
これらのことを考えた結果、私はPVCレインシューズを頻繁に買い直すのではなく、価格が高くなっても「履き心地が良く、長く愛用していける靴」を選択することにしました。(そのほうが結果的に総額ではお得ですし)
Paraboot(パラブーツ)CHAMBORD
私が長年愛用している靴は、フランスの名門ブランド「Paraboot(パラブーツ)」の代表的なモデルである「CHAMBORD(シャンボード)」です。
パラブーツはこだわり抜いた作りで、ファッション好きにファンが多いブランドだと感じます。
おしゃれなセレクトショップの店員さんの足元を見てみても、パラブーツを履いている方が多いですね。
気取らない「抜け感・こなれ感」が使いやすさの秘密
パラブーツが作っている靴にも色々なモデルがあり、その全てがフランス製です。
特に人気の高い定番モデルであるシャンボードは、Uチップのフォルムが特徴のシューズになります。
おそらく多くの方にとってUチップはあまり馴染みがないため、単体でパッと見ると「なんだかおしゃれに見えないし難しそう」と思うのではないでしょうか?
確かに「ダサかっこいい」アイテムだと私も思います。
そこで考えてみて欲しいことがあって、革靴って大人っぽい「きちんと感」が出せる反面、物によっては「気取った印象」になってしまうこともあるのが問題です。
その点、シャンボードのようなフォルムの作りだと、「きちんと感がありながら気取らない」絶妙なバランス感が味方してくれて、様々なコーディネートに合わせられます。
だからジーンズのようなラフなボトムスに合わせても崩しすぎないし、トラウザーズのようなカッチリ感のあるボトムスに合わせても堅さが出過ぎません。
見た目で考えると、「抜け感・こなれ感」を出せるのがこのアイテム最大の特徴です。
幅広いコーディネートに合わせることができるのは、この「キザっぽくならないダサかっこよさによる抜け感・こなれ感」があるからなんですよね。
これはその他の革靴やスニーカーではなかなか表現できません。
そのため、雨の日だけではなく普段使いにも私は愛用していて、洗練された大人におすすめしたい逸品です。
上質なリスレザー
見た目の良さについては理解出来たとしても、「革靴って水に弱いから雨だと履きにくい」と思われるかもしれません。(そもそも「革が水に弱い」というのはある種の誤解だと私は思いますが)
シャンボードは革にオイルがたっぷりと含まれた「リスレザー(オイルドレザー)」を使用していることによって、撥水性・防水性に優れています。
それゆえに、雨の日でも気軽に履ける靴となるんですね。
リスレザーの革質は独特で見た目にもそれが表れます。
いわゆる通常の革とは違う「艶の少ないじんわり感」が特徴です。
このギラギラしていない感じも、使い勝手としてバランスの良さがあると思います。
ちなみに、「ブルーム」と呼ばれる、革に染み込んだオイルが表面に浮いてくる現象もこうしたオイルドレザーにはつきものです。
よくこのブルームを初めて見た方は、白っぽい見た目なので「カビが生えてしまった!」と勘違いされることが多いんですよね。
しかし、ブルームは店頭に並んでいる時はもちろん、購入した後も出てくるものなので安心して大丈夫です。
自社製ラバーソール
雨の日に履きやすい特徴はソールにもあります。
「PARA-TEX」という天然ゴムを原料にした独自開発の自社製ラバーソールを採用しており、歩きやすさは格別です。
これにより、雨の日でも滑ることなく歩けるので、悪天候でも頼りがいがあるシューズとして重宝します。
このあたりの作り込みも徹底して行っているのがパラブーツらしいですね。
「ソールまで自社で作る」なんてシューズブランドは世界でもパラブーツだけです。
唯一の欠点!?インソールの「剥がれ」に注意
ここまでパラブーツの良さばかりを紹介してきましたが、正直にいうと、パラブーツにも欠点があると私は感じています。
それは、「インソールの剥がれ」です。
パラブーツに限った話ではないですけれども、革靴のインソールって剥がれやすいものが存在します。
だとしてもパラブーツの場合は接着が甘いのか、かなり剥がれやすいです。
指の付け根部分(インソールがV字になっている箇所)あたりから履いているうちに剥がれてきます。
最初に買った時は「やたら剥がれやすいな」と感じていましたけれども、所有している他の方に聞いても「自分のパラブーツも剥がれます」と口を揃えて言っていました。
気になってさらに調べてみようと思い、色んな販売店の方に聞いても同様の答えでしたし、もっというと販売されている段階から剥がれているものもあったので、もはやこういう仕様だと割り切るしかありません。
そこで、剥がれてきた場合はお直しに持っていき、以前よりも頑丈に接着し、剥がれないようにしてもらうのが良いと思います。
この点だけはパラブーツに対して改善を求めたいところなんですよね、どうにかならないものなのでしょうか。
素敵な靴で雨の日も楽しもう!
シャンボードはこの独特のフォルムが「気取らない印象の適度なリラックス感」を与える革靴です。
そのため、単体では使いにくそうに感じても、実際のコーディネートでは非常に使い勝手が良く、そこがこのアイテムが多くのファッション好きに長年愛される理由なのだと思います。
本当に水にも強い作りなので、雨の日にも気軽に履いていけるためおすすめです。
また、どんなシューズでも定期的に「防水スプレー」を施しておくと水への耐久性だけではなく、汚れがつく予防にもなるので良いですね。
ぜひ参考にしてみてくださいね!