こんにちは。
ファッションアナリストの七理悠介です。
前回、どういった色味のスーツを選ぶべきなのかについてご紹介しました。
色が決まれば、次に考えるべきは「素材や柄」です。
今回は、スーツの素材や柄選びのポイントをご紹介します。
スーツの素材
まず、スーツの素材選びについて考えてみます。
たまに「ウール100%でないと上質ではない」と思われている方がいますが、それは誤解です。
肝心なのは「着てみた時に人に与える印象」と「着心地」なので、それらを意識した素材選びをすると良いでしょう。
スーツで使われる素材は主にいくつかの種類に分かれます。
ウールだけではなく、「ポリエステル・キュプラ・レーヨン・モヘヤ・シルク」など様々です。
結論から言うと、「どの素材が正解」なんてことはないため、こだわりがない内は「見た目が好きなもの」を選ぶのが1番良いと思います。
とはいえ、スーツに不慣れな方にとって「好きなものはどれ?」と言われても困るはずです。
そこで、表生地で私がおすすめなのは、ウール100%以外にも「ウールとモヘヤのブレンド」があります。
「モヘヤ」と聞くと、最近トレンドにもなった「フワフワでモコモコの見た目」を想像するかもしれませんが、スーツにブレンドされる使い方は違います。
モヘヤをブレンドした生地を使うことによって、モヘヤ特有の「じんわり感のある上品な美しさ」が見た目にも表れて分かりやすいです。
この「分かりやすさ」は印象をアップする差別化として武器になるので、特に「クオリティの差が伝わりにくいネイビースーツ」に用いると効果的だと感じます。
実際、私自身もそうした理由からネイビースーツはモヘヤ混のものを購入することが多いです。
https://www.instagram.com/p/BvQqYr5BshD/
裏生地に関しては、定番の「キュプラ」を選ぶのが間違いないでしょう。
キュプラは「なめらか肌触りで、袖を通した時の滑りの良さ」が特徴です。
スーツの柄
スーツの柄は、もちろんまずは無地を揃えておくべきです。
しかし無地だけで良いのかというと、そうではありません。
ぜひワードローブに無地だけではなく、柄の入ったスーツを揃えておくことをおすすめします。
柄が入ることで差別化もしやすくなりますし、スーツスタイルを洗練された印象に見せるために最重要な「Vゾーンの作り込み」にも大きく関わってくるからです。(詳しい方法はVゾーンのテーマ回の記事でご紹介します)
柄については、基本的に「体格に合わせた大きさの柄を選ぶ」というのがポイントになります。
というのも、一般的に「小柄な方は小さな柄を、大柄な方は大きな柄を選ぶと雰囲気とマッチして、こなれて見えやすい」からです。
しかしながら、厳密に合わせる必要はないと私は考えています。
やはりどんな服でも「その人が持つ性格や雰囲気などの総合的な要素」によって似合うものは異なってくるからです。
「人にどんな印象を与えたいのか?」を考えた上で、ご自身のキャラクターと相談しながら「自分が最も素敵に見える柄スーツ」をぜひ探してみてくださいね。
柄スーツにも2種類のものがあります。
ストライプスーツ
1つは「ストライプスーツ」です。
柄のスーツを使う方の多くが、ストライプスーツが圧倒的に多いですよね。
そのため多くの方にとって、「最もよく見慣れた柄スーツ」のはずです。
スーツにおけるストライプは柄が目立たない順に、「シャドーストライプ・ペンシルストライプ・ピンストライプ・チョークストライプ」などが主にあります。
どれを選ぶのが正解というのはありませんが、私がおすすめなのは、柄だとはっきりと分かるけれども派手には感じない「ピンストライプ」です。
ピンストライプは比較的どんな方にも似合いやすいため、着る人を選びません。
チェックスーツ
もう1つは「チェックスーツ」です。
チェックはスーツで取り入れている方が非常に少ないので差別化には効果的です。
スーツにおけるチェックは柄が目立たない順に、「ハウンドトゥースチェック・グレンチェック・ウィンドウペンチェック・タータンチェック」などが主にあります。
チェックについてもストライプと同様に、どれを選ぶのが正解というのはありませんが、私がおすすめするのは、控えめながらもしっかりと柄だと分かり上品な印象の「グレンチェック」です。
https://www.instagram.com/p/BvQ0s49hwWK/
とても品良く見える柄で使いやすいので、積極的にチャレンジしてみてください。
素材や柄にも気を配って洗練されたスーツスタイルにしよう!
スーツスタイルではカジュアルに比べて使えるアイテムが決まっていて自由度が低いため、印象を良くする差別化というのが比較的難しくなります。
そのことが原因で、一般的に差別化というものを正しく行えていない方が本当に多いので、結果として洗練された印象を与えません。
その他のディテールにこだわる前に、まずは素材や柄選びにも気を配ってみてください。
ぜひ参考にしてみてくださいね!